中学校給食に関する視察報告【神戸市】

はじめに

中学校給食は、私たちみんなの党アジェンダ横浜の中でも重要施策と位置づけ、その実現を訴えて参りました。

そしてみんなの党横浜市会議員団としても中学校昼食に関するプロジェクトチームを立ち上げ横山議員を中心に検討を進めております。

中学校給食の方法には横浜の小学校で実施している学校に調理室を備えて自前で食事を調理して提供する「給食」と、業者さんより配送されたお弁当を提供する「昼食」と2つの方式があります。

今回はそのうちの昼食方式を実施している政令市を視察し、その現状を把握して参りました。

神戸市の中学校昼食

先ず初めに業者さんから配送されるお弁当を提供する方式を実施している神戸市の本庄中学校を視察して参りました。

神戸市では、この中学校昼食を平成14年より順次実施して参りました。私たちが伺った本庄中学校は、平成15年よりお弁当販売の利用を実施しており、現在で9年目となります。お弁当販売の利用は任意で、自宅から持参しても学校で注文しても良いことになっています。

この日の注文数は16。全校生徒が約740人ですから、利用率は2%となります。神戸市のまとめでも、市内中学校全体としてお弁当販売の利用率は0.9%という値になっています。

注文の流れですが、10枚単位で食券を購入し、当日の朝に注文箱に食券を入れて申し込むスタイルとなっています。

おかずのメニューは事前に1か月分の献立を知らせてあり、1食あたり430円となります。

神戸市ではお弁当の単価を400円~450円と定めており、各中学校で業者さんと値段を決めています。

本庄中学校では献立がカツカレーの日には利用率が30%程に上がるそうです。

最初に気になったのは利用率の低さ。地域の家庭ではこのようなお弁当販売を望んでいないのでしょうか?

給食なら希望するのでしょうか?先ずは平成23年度に神戸市が実施した「中学校の昼食」に関するアンケート結果より市民はどのようにとらえているのか見てみます。

この報告書によると、中学生の望ましい昼食として約75%の保護者が「学校給食」と回答しています。では何故利用しないのでしょうか?学校給食と販売弁当では何が違うのでしょうか?

実際に試食してみました。子どもが好むようなおかずはあまり見当たりませんでした。

この中学校の販売べんとうは主に冠婚葬祭で利用する地元の仕出しお弁当業者さんが作っています。

お弁当業者としては、一般のお弁当と食材を共用して効率化しないと採算が合わないといった課題があるのかも知れません。

担当市職員さんに聞くと、子ども達の栄養バランスを考えると、好きなものばかりをおかずにする訳にはいかないので、栄養のバランスを考えて、このようなおかずにしている。とのことでした。

栄養のバランスが取れて子ども達も喜ぶお弁当は作れないのでしょうか。

現状では家庭でお弁当が作れない場合に学校で注文せずにコンビニでお弁当を購入する生徒も居るそうです。中学校のお弁当販売が430円という値段なら、コンビニ弁当と価格帯も同じだし、好きなおかずが買えるので良いと生徒は思うのかも知れません。

また、背景には中学校で販売するお弁当を食べるのは少し気が引けるといった雰囲気もあるのかも知れません。

以前には、中学校で販売するお弁当を食べて友達にからかわれたといった事例もあったそうです。

利用率が低い原因は様々あるようですが、少なくとも学校と行政とお弁当業者がもっと子ども達に愛情を持って取り組み、子どもや保護者にも喜ばれて、

且つバランスの良い食事提供するための検討の余地はまだまだあるように感じました。

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