予算特別委員会にて文化観光局の質問を行いました

2月29日に平成24年度予算第二特別委員会の局別審査において、「文化観光局」の平成24年度の予算内容に関して、

1.「スマートイルミネーション事業」

2.「観光資源魅力アップ事業」

3.「フィルムコミッション事業」

4.「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2012」

5.「文化観光局の事業姿勢及び評価手法」

の事業及び項目に関して質問を行いました。私の問題意識と質問した内容は以下の通りです。

文化観光局の平成24年度の予算は、全体で90億2,940万円と、他の局と比べ、控えめな予算ですが、市民の皆さんからの期待は、大変おおきなものがあります。そして、将来の横浜の発展に大きく寄与する局であると私は認識しています。そこで今回は、平成24年度予算に対し、より効果の高いものにするには、どのようにすべきかといった観点より質問をさせて頂きました。

1.「スマートイルミネーション事業」

この事業は、横浜の夜の魅力づくりとして夢とロマンがあるだけではなく、経済波及効果が高いものとして大変期待をしております。平成24年度の予算は緊急雇用創出事業費をあわせ約5,200万円ですが、より費用対効果を高めていくための工夫が必要だと考えています。

事業化については、平成23年度に象の鼻テラスで行った企画の成功が契機となっていると聞いております。この像の鼻テラスは赤レンガから山下公園までの回遊性に大きな役割を持つと思っています。芸術的な町並みといった観点よりデザインが重要となりますが、像の鼻パークの入口にある自転車乗入禁止サインが工事用の仮設看板みたいなものとなっていて、とても違和感があります。詳細に至るまで配慮して欲しいものだと思います。この改善を始めに要望しました。話は「スマートイルミネーション」戻って、初めに

(1)平成23年度に行った事業内容について、創造都市推進部長に伺いました。

昨年は、イルミネーションイベントが3日間だけの開催でしたので、私自身も見に行く機会を逃してしまい、とても残念でした。今年は是非行きたいと思っていますが、

(2)平成24年度の取り組みについて、新たにどのような工夫をされているのか局長に伺いました。

各々の地域で行っているイルミネーション自体は以前から行われていたものなので、それを一枚のパンフレットにまとめて案内しているだけでは物足りなさを感じてしまいます。スマートイルミネーションのイベントは来年度5日間開催されると聞いておりますが、例えばライトアップ時間は18時から23時の5時間だとすると、開催期間の合計で25時間となります。事業費5,200万円を掛けて、直接効果だけですと1時間あたり200万円以上のお金を使っているようにも見えてしまいます。もちろん間接的な効果に対しても取り組んでいることは理解していますが、今のままでは、あまりにももったいないと感じてしまいます。そこで、イベントを開催するまでの広報等の事前活動が重要となってきますので、

(3)スマートイルミネーションのイベント開催前の取り組みについて局長に伺いました。

羽田空港国際線を利用する人のうち、どれだけが「横浜を利用している人」なのか分かりませんし、イルミネーションといった視覚的な魅力を伝えるのに、ラジオといった聴覚の媒体を使うこと自体が有効とも思えません。結局は、現在関わりのあるものと連携を取っているだけに見えてしまいます。

イルミネーションをする場所を見ても、今まで繋がりがあったところと連携しているだけで、横浜を訪れる人の回遊性といった工夫もあまり感じられません。横浜の新たな夜の魅力をつくりだすには、既存の組み合わせでは効果は薄く、誰をターゲットにして、何を目指すのかをしっかりと考えていかなければなりません。そのためにはニーズの分析も必要でしょうし、ライバルの東京との比較も重要かも知れません。

もちろん道路や公園や港湾は、多くの規制が掛かっているので、思うように進まないことは理解していますが、何を目指そうとしているのかビジョンが無ければ、この事業の将来は無いと危機感を感じています。

事業目的に地球温暖化啓発もうたっていますが、その意味は、周辺の電気を消してイルミネーションを引き立てることと聞いていますが、アートそして演出といった観点では良いのかもしれませんが、商業店舗においては暗くすると大きく売り上げは下がりますし、防犯といった観点からも明るい方が良いと言われています。何を持って地球温暖化を目的としているのかが良く分かりません。

スマートイルミネーション事業はしっかりとしたビジョンを持つことが重要です。今後も、より一層の工夫をして、効果と質の高い事業にして頂くことを要望しました。

2.「観光資源魅力アップ事業」

成長戦略の柱でもある観光振興を図っていくためには、新たな観光資源を発掘したり、既存の観光資源に磨きをかけたりといった取り組みが必要となります。取組を進めるにあたっては、行政だけでなく、民間企業と連携し、その力を引き出すことが重要です。そこで初めに、

(1) 観光資源魅力アップにあたり、民間企業とどのように連携するのかについて局長の考えを伺いました。

テーマを絞って観光資源の魅力を高める検討を行うとのことですが、その検討テーマのひとつである「夜の魅力アップ」で言えば、同じ局の事業である、「スマートイルミネーション」は、まさに夜の魅力を高める観光資源です。民間企業との連携はもちろんのこと、局内でも密に連携を取り、事業効果を高めていくことが重要だと思います。そこで

(2)観光資源の魅力アップに向けた、局内での連携の重要性について局長の考えを伺いました。

また、別の検討テーマである「海・港の魅力活用」では、文化観光局だけではなく、港湾局との連携が必要不可欠解決だと思います。また「滞在・周遊環境の向上」については、都市整備局などの協力が必要です。そこで、

(3)観光課題の解決に向けた、他局との連携の重要性について局長の考えを伺いました。

私は昨年に「都市整備局」の局別審査において、「街の魅力づくり」といった観点より、「都市整備局」は「文化観光局」と、より連携を取るべきであると意見を述べさせて頂き、副市長にも見解をお聞きしましたが、この課題は何とか解決したいと思っております。そこで今回も

(4)局を超えた協力体制を構築することについて、小松崎副市長の見解を伺いました。

横浜の観光資源を魅力アップしていくためには、様々な主体が協力した、幅広い視点での取り組みが必要です。文化観光局が中心となって横浜の観光を盛り上げていただくことを要望しました。

3.「フィルムコミッション事業」

多くの方に横浜の魅力を知っていただくためには、効果的なPRが欠かせません。PRの手段には様々なメディアの活用が考えられますが、特に映画やドラマなどの舞台として横浜で撮影が行われ、それが放送・放映されたときのPR効果は非常に高いと考えます。映像というのは不思議なもので、「イメージ」が焼き付きます。イメージが焼き付くと直接的な経済効果だけでなく二次的な効果を生み出すことが出来ます。

十数年前になりますが、北海道の小樽市を韓国の若い女性がたくさん訪れました。その理由は、ちょうどその頃「LoveLetter」という日本の映画が韓国で公開されたからなのです。この映画は、韓国の女性が共感し、日本に行くときには北海道に行きたい。千歳から小樽に行きたい。小樽に行って、中山美穂が住んでいたといわれる坂道の一軒家の前に行ってみたい。それだけのことで、多くの韓国女性たちが訪れたのです。

私たちの先輩達も「ローマの休日」を見て、ローマに行って彫像の口の中に手を入れてみたいと思ったはずです。そういった意味で、フィルムコミッション事業は横浜のプロモーションの手段として大きな可能性を秘めています。「フィルムツーリズム」の答弁でもありましたが、PR効果が高い事例があると、あらためてフィルムコミッションの有効性を実感します。是非ともさらなる観光振興につなげて行っていただきたいのですが、一方で様々な課題もあると思います。そこで、

(1)フィルムコミッションを活用した観光振興を進めていく上での課題について局長に伺いました。

確かに、観光振興や集客に直結する案件ばかりではないのも事実だと思います。フィルムコミッションで重要なことは、撮影への協力と同時に自治体の活性化を図っていくという点です。私が調べたところによりますと、フィルムコミッションは、1940年代後半にアメリカで映画撮影の際の道路や公園使用の許可、警察や消防への協力等の取り付け仲介役として誕生したと言われています。現在では、アメリカの180を超える州政府や郡、市などの自治体がフィルムコミッションを設置しており、世界では23か国260以上のフィルムコミッションが存在しています。それだけ発展したのは、映画等のロケが結果として地域を潤すことが分かったからなのです。横浜では、未だ仲介役の意味合いが強いことに物足りなさを感じている訳ですが、そこで、

(2)フィルムコミッションの今後の方向性について局長の考えを伺いました。

様々な課題はありつつも、幅広い魅力発信に活かせる可能性があるのですから、横浜という都市自体の様々な魅力をプロモーションするという視点で、是非フィルムコミッションを有効活用して頂くことを要望しました。

4.「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2012」

平成24年度の主要事業として位置付けられた横浜芸術アクション事業、「Dance(ダンス) Dance(ダンス) Dance(ダンス) @(アット) YOKOHAMA(ヨコハマ) 2012(ニマルイチニ)」については、先の第4回市会定例会において、フェスティバルの名称の長さとは裏腹に準備期間が短いといった課題に対し、ダンスフェスティバルと学校教育の取組の観点から、質問と意見を述べさせていただきました。

平成24年度から中学校においてダンスの授業が必修となることに加え、テレビの音楽番組などでは、我が会派の木下委員も大好きな「AKB48」に代表されるヒップホップ系の踊りなどへのあこがれもあいまって、様々な世代の子どもたちのダンスに対する興味や関心は、日々高まっております。

フェスティバルを成功させるには、こうした子ども達の興味や期待、ニーズに十分に応え、盛り立てていくことが重要と考えますが、そのためには様々な世代の子どもたちが気軽に参加できる「場」や目標となるような発表の「場」が必要と考えます。そこで、

(1)子どもたちを対象としたプログラムにはどのようなものがあるのか、民間出身の横浜魅力づくり室長に伺いました。

子ども達にプロがみずから直接指導するだけでなく、あらゆる世代の子どもたちに発表の場を提供していくことは、中・長期的にフェスティバルの浸透や定着にも一役買っていくもので非常に重要だと思います。

昨年は、創造都市推進事業の一環として、関内・関外地区などマザーポートエリアで実施される事業と連携することによって、トリエンナーレの認知度向上に寄与したと聞いています。文化観光局は市内で行われる様々なイベントと関わる部署であり、これらの連携を強化し発信力を高めることは、局の設置目的のひとつでもあると思います。そこで、

(2)フェスティバルの認知度を上げるために市内で実施される他の事業との連携を図るべきと思いますが、局長の考えを伺いました。

今回のフェスティバルの主なプログラムは、それぞれの会場でバラバラ実施されるものが多く、点と点をつなぐような工夫がないと、フェスティバルの一体感がありません。

こうした課題を解決するためにも、創造都市推進事業や観光関連事業といった文化観光局関連事業のみの連携にとどまらず、民間事業者なども含めたより広い範囲での連携が必要であり、今回のフェスティバルの魅力を高めるのに有効ではないかと考えます。そこで、

(3)民間事業者なども含めた連携について、具体的にどのように取り組んでいくのか局長に伺いました。

横浜市で初めて実施するダンスフェスティバルを成功させるためには、全市的な取り組みは不可欠だと思いますので、是非とも各区との連携を図って取り組んでいただきたいと思います。

「横浜博Y150」のように費用対効果に疑問が残るようなイベントにしてはいけないのです。フェスティバルに市民の皆さんが参加して頂くようにお願いをするのではなく、市民の皆さんが自ら参加したいと思うような、市民にとって魅力のあるフェスティバルとなるよう、更なる工夫が必要なのです。このことを強く要望しました。

5.「文化観光局の事業姿勢及び評価手法」

文化観光局は、事業を展開していくうえで、様々な相乗効果が期待されていますが、24年度予算案では、局の事業展開概念として、「プロモーション力アップ」、「横浜の魅力アップ」、「マーケティング力アップ」の3つのアップを連動させていくことが謳われています。

これらの連動についても、「PDCAサイクル」に当てはめて、検証・評価していくことが、文化観光局の取組において必要不可欠なことであると思います。そこで、

(1)PDCAをまわす取組について、局長の考えを伺いました。

こうした取組を進めていく一方で、事業の費用対効果がしっかりと得られているかについても評価をすべきと考えます。

しかし、文化芸術を施策として展開していく上では、必ずしも経済効果だけで成果が図れるものではありません。だからといって評価すること自体をしないのではなく、来街者や市民の皆さんの満足度など定性的な指標も捉えて、しっかりと評価すべきと考えます。また、長期的な横浜の将来像をイメージし、そのあるべき姿にどこまで近づけているのか、といった観点での評価も必要と考えます。そこで、

(2)文化観光局の事業における目標設定の考え方について、局長に伺いました。

わが国の地方行政において、このような事業評価手法を取り入れている自治体はそう多くはないと思います。他の自治体に先駆けて、横浜から、そして文化観光局から、無駄のない、効率的で効果的な評価手法を確立されることを要望しました。

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