横浜市の外郭団体って何なの?

外郭団体は、時代の変化と共に条件や目的も変化しており、

既に当初の役割を終えている団体は整理すべきと考えています。

私が担当をしている建築局、都市整備局、道路局の外郭団体に関しては以前より、

前記の考えに基づき意見を述べて参りました。

その団体のひとつに「財団法人ケーブルシティ横浜」という財団があります。

この財団は、横浜博覧会が終わった跡地のみなとみらい21地区で、

その後高層ビルを建設するにあたり、周辺地域に影響を及ぼす電波障害を統括して対策するために、

横浜市が市費を投入して平成5年に設立されました。

設立当時は大変意味のある財団であったと思われます。

その後、みなとみらい21地区のケーブルTV事業を公団より譲り受けました。

この財団の事業は、電波障害対策事業とケーブルTV事業の2つで、

この財団の収入は、みなとみらい21地区に高層ビルを建設する

開発事業者から協定に基づき受け取る電波障害対策の負担金と、

ケーブルTVの利用料で賄っています。

電波障害対策事業は、みなとみらい21地区に今ではたくさんの高層ビルが立ち並び、

ほとんどの周辺地域の電波障害対策が完了しています。

更には、TV電波はアナログからデジタルに移行したことにより、

電波障害エリアは大幅に狭まりました。

ですから、この事業が設立当初のスタンスのままで良い訳がありません。

ケーブルTV事業に関しても同じです。

当時は民間事業者も少なく、財団として運営する意味はあったかも知れませんが、

現在は、たくさんの民間事業者があるので、財団として運営する必要性は無いと考えています。

私は以前より民間に業務を移管すべきと述べて参りました。

この財団のあり方基本方針には、電波障害対策事業の見直し整理に関しては一切触れておらず、

財団を統合することで、この事業を曖昧にさせて存続させるのではないかと懸念しています。

そして今回「横浜市外郭団体等経営改革委員会」の参考意見に基づき横浜市より、

この財団のあり方についての方針案が示されました。

この中でケーブルTV事業は、民間へ譲渡されることとなりました。

そして、残った電波障害対策事業は「一般社団法人みなとみらい21」に統合されることとなりました。

この方針自体は評価すべきことなのですが、統合へ向けたスケジュールに問題があります。

まったくスピード感が無いのです。

なんと統合までに3年間の準備期間が必要となっているのです。

財団法人を一般財団法人へ移行する手続きに時間が掛かるのは理解できますが、

そんなに時間が掛かる訳では無いので、クリティカルポイントを明確にしたスケジュールを作成し、

出来るだけ早期に統合すべきと常任委員会でも意見を述べさせて頂きました。

この財団の中身を見ても疑問だらけです。事業は役割を終えているにも関わらず、

負担金等を取り過ぎており、余剰資産がたくさんあるのです。

3月22日の神奈川新聞にも記事になりましたが、

この財団は、ハイリスクとされる金融派生商品(デリバティブ)を組み込んだ「仕組み債」に34億円投資しています。

総収入の6割以上が投資有価商品の運用益となっており、

実質投資会社化しているのです。そして簿価に対して時価は現時点で10億円も目減りしているのです。

このような実態が、市民の皆さんから疑問を持たれる原因となっているのです。

外郭団体は、全てが不要と思っている訳ではありません。

私は、外郭団体には必要な意味のある事業を胸を張って行って頂きたいと思っています。

そうなってもらうためにも、今後も外郭団体に目を光らせていきます。

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