名古屋市の視察の次は、
政令都市でセンター方式を採用している岡山市を視察して参りました。
岡山市の中学校給食の歴史は古く、
昭和31年に現岡山中央中学校が完全給食を開始し、
昭和58年に全小・中学校で完全給食となりました。
平成10年には岡山市の教育費に対する給食費の経費が高いことが指摘され、
翌年に「岡山市学校給食運営審議会」を設置。
民間業者導入のきっかけとなりました。
その後、平成12年に中学校2校にて民間委託を試行し、
平成20年には提言を受けた60%まで民間委託率を引き上げました。
〔給食調理状況〕
〔揚げ物の調理状況〕
〔給食の積み込み状況〕
見学をさせて頂きました岡山学校給食センターは、
5校の中学校に計2500食を供給している施設で、
平成14年から民間委託によって運営されています。
岡山市には7つの学校給食センターがあり、
7849食を供給しています。
学校給食センターの運営費は、
7施設合わせて2億7千370万円なので、
1食あたりの公費負担は200円を少し超えるくらいの金額となります。
名古屋市と比較して割安なのはセンター方式といった
調理施設に初期投資を行っているためです。
岡山学校給食センターを見学した後は、
中学校に移動して給食の受け入れ
〔給食の受け取り状況〕
各クラスへの配膳
〔給食を取りに来る生徒たち①〕
〔給食を取りに来る生徒たち②〕
そして生徒と一緒に給食を食べ、
給食の片づけ、
容器の回収といった一連の流れを
見学と体験をしてきました。
生徒と一緒に食べた給食は
たいへん貴重な体験でした。
中学2年生のクラスにご一緒させて頂いたのですが、
〔クラスでの配膳状況〕
お昼の時間になると皆元気に手際よく給食の準備をはじめ、
あっという間に「いただきます!」
ワイワイガヤガヤと食事が始まりました。
皆で一緒に同じものを食べるということは、
教育上、大切なことなんだなと感じました。
そして教室の生徒全員に、その場でアンケートを取ってみました。
初めの質問は「給食はおいしいですか?」
クラスの半分は「ふつう」
残りの半分は「おいしくない」
「おいしい」は0でした。
次の質問は「給食とお家の人が作るお弁当のどちらがいい?」
クラスの半分は「どちらでも」
残りの半分は「お家の人が作るお弁当」
「給食」は0でした。
食育という観点で、
親の立場、子どもの立場、教育委員会の立場
それぞれが違う訳で、予想通りの結果だと思います。
栄養バランスを考えると子どもの好きなものだけ提供する訳にもいかないし、
カロリーを考えると薄めの味付けとなってしまいます。
給食を通じて何を一番重要視するのか?
これはとても重要な問題だと思います。
給食は時代とともに求められる姿が変わってきています。
私は時代にあったあり方を検討することが重要だと考えています。
視察日:2012/05/09