横浜市水道局の浄水場を視察して参りました。
現在、横浜市には西谷と小雀と川井の3つの浄水場が稼働しています。
川やダムから送られた水はこれらの浄水場で
普段皆さんが口にしている飲み水に浄化されるのです。
そんなとっても重要な機能を担っている場所なので、
西谷と小雀の2カ所を視察してきました。
先ずは、保土ヶ谷区にある西谷浄水場。
ここに相模湖系の水が1日に25万トン送られてきます。
相模湖から30km以上の道のりを自然流下で流れてくるので
到達するまで半日ほど掛かります。
送られてきた水は沈殿池に送られ
PAC(凝集剤)を入れて細かな浮遊物を塊にして沈めます。
これを凝集沈殿と言います。
次に急速ろ過池に送られた水は砂の層を通過させて
取りきれなかった浮遊物をろ過します。
そして殺菌管理されて飲み水となります。
この行程で取り除かれた浮遊物は排水処理設備に送られて、
濃縮されて脱水・乾燥させて
園芸土の原料として再利用されていました。
それが原発事故以来、放射能の問題が発生したため、
現在は、規定値以下であることを確認した上で
コンクリートの材料として
コンクリート製造会社にお金を払って
産廃として引き取ってもらっています。
施設内には約80人の職員さんが働いており、
水道事業としては国内でも数少ない
「ISO/IEC17025」の水質検査室を持っています。
要するに外部機関に水質検査を出さなくても、
ここで測定検査した結果(数値)は公文書として証明できる
国際規格を取得しているのです。
この検査設備は凄かった。
微生物検査から生物検査、異物検査に有機物検査、無機物検査、
水道水質基準の50項目を含め、
約150の検査を行うことができるのです。
ですから、万が一、水道水に異物が混入していた場合でも
その物質が何なのか?ほとんどの場合は特定可能なんです。
更には、原発事故に伴い関東地方の水道水から
一時的に放射能物質が検出されたことを受け、
横浜市水道局ではいち早く放射性物質を測定する装置を導入し、
常に安全であることを確認しています。
これだけの設備でしっかりと管理していれば、
横浜の水道水は安心・安全であることが実感できます。
次に向かったのは、戸塚区にある小雀浄水場。
こちらは相模川の水を寒川あたりから取水しています。
小雀浄水場までは12km離れており、
更には浄水場が高台にあるため
56mの高さをポンプで圧送しているのです。
その量なんと1時間で2万7千トン。
そんなこともあり小雀浄水場の電気料金は
年間7億9千万円にものぼり
そのうち約半分が揚水ポンプの電力に使われているのです。
だから小雀浄水場は以前より太陽光発電に力を入れているのです。
なかなか費用対効果を考えるとコスト低減には貢献できませんが、
環境配慮といった観点では貢献しているものだと思います。
それと小雀浄水場って横浜市と横須賀市の
共同施設だって皆さんご存知でした?
管理は100%横浜市が担っていますが、
必要経費は両市で按分しているのです。
その他の特徴としては、
西谷ではセメント材料として処理されていた
水から除去された物質は、
この浄水場では汚泥のまま
南部汚泥資源化センターに配管で送られているのです。
どちらが効率的かはもっと勉強しなければ判断できませんが、
現地を視察すると色々なことに気づきます。
これからも現場第一で取り組んで参ります。