神山町視察報告(2)空き家・商店街再生とサテライトオフィス

グリーンバレーの取り組みの中に空き家・商店街再生とサテライトオフィスがあります。

この2年間でIT系ベンチャー企業9社が神山町にサテライトオフィスを開きました。

そのひとつがSansan株式会社の神山ラボです。

空き家を改装してオフィスとして使用しているのです。

東京本社との打ち合わせはSkypeを利用しています。

開設当初は、技術系社員がこのオフィスを使用していたそうですが、

今では、営業系もこの神山ラボで仕事をしているそうです。

要するにICTインフラがあれば対面じゃなくても営業業務が成立することを実証したのです。

横浜に当てはめて考えた場合、密接な関係にある道志村においても成立する可能性があると感じました。

そこまで大胆な発想をしなくても、

地域のシャッター商店街の再生に貢献できるヒントがあると感じました。

株式会社ソノリテも神山町にサテライトオフィスを置いた会社のひとつです。

江崎社長はコールセンター業務をこの神山に置き3人を雇用しました。

これらのオフィスはグリーンバレーが将来、町にとって必要な働き手や起業家を逆指名して

計画的に作り出したものなのです。

そして空き家の再生も計画的に行っているのです。

株式会社ソノリテが使用しているブルーベアオフィス神山は、

一部を東京藝術大学の大学院生を中心としたボランティアと地元の大工さんが協力して改修しました。

そしてその改修費用をグリーンバレーが持ち、

オフィス賃料に上乗せして貸し出しているのです。

ですから空き家を再生してオフィスとして使いたいといった人が居ても

初期投資を抑えて計画的に事業を進めることができるのです。

このブルーベアオフィス神山は、階高が高く断熱性能も高くないので温調には苦労するそうですが、

それ以上にこの場所で仕事をする魅力があります。

今の世の中、まわりを見回せば私たちの身近にも

仕事が原因で心の病気に掛かってしまう人がたくさん居ます。

心豊かに暮らすせる環境がこの神山町には詰まっているように感じました。

そして、私はこの神山町が将来どうなるのだろうと考えました。

住みやすい町として人気になっていったら、

必ず資金力のある企業が営利目的で開発をするのではないか?と心配になりました。

そこまで大胆なことにならないにしても、

若い人が増え、この町に人が集まり消費が増えていくと、

コンビニが乱立したり、フォーストフードショップが出来たり

国道沿いにパチンコ屋やゲームセンターが出来たりしたら、

この神山の魅力はなくなってしまいます。

ですから大南理事長は無理をしないのです。

しっかりと丁寧にひとつひとつ作り上げているのです。

神山に必要なものを逆指名しているのも深い意味があるのです。

横浜も先代が作り上げてきた町並みがあります。

芸術的にとても価値のある歴史的建造物が壊されつつあります。

みなとみらい地区にも張りぼての結婚式場がオープンします。

一番大事なことは町並みの見た目ではなく、

横浜を良くしようという想いを共有して街づくりをすることです。

行政であろうと地域住民であろうと事業者であろうと

ここを担保しなければ将来に良い街を残すことはできません。

その共有する仕組みを作るのが行政や我々議員の役割であると思います。

この記事を書いた人