保健所では食品衛生から業法の許認可まで様々なことを指導しています。
保健所は浴場の設置に関して公衆浴場法に基づき検査指導もしています。
お風呂の衛生管理に関して指導する立場にもあるのです。
そういった中、お風呂で感染するケースの多いレジオネラという細菌による感染症が毎年発生していることをご存じですか?
レジオネラ菌は、もともと自然環境の中に生息している菌で、口から吸引して肺に入り、肺を患っている方が感染する場合もあると言われています。
要するに飲み込んだだけでは感染はしませんし、肺に入ったとしても健康状態なら感染する可能性は低いのです。
とは言え横浜市内において平成24年度には感染例が5件発生しており、過去5年では127件もあります。
これは現在はレジオネラ症が第四類の感染症に指定されたため、
感染の疑いがある場合には医療機関から保健所へ報告する義務があるために実態が明らかになった訳ですが、
平成23年の9月には戸塚区のスポーツクラブの浴槽にて集団感染して複数の患者が発生し営業停止になった事例があったり、
時には死亡するケースもある感染症ですので、その発生防止対策は重要な課題といえます。
保健所はそういった感染症を未然に防ぐために立入検査を行っていますが、
実は横浜市の所管する入浴施設でもレジオネラ菌が検出されているのです。
レジオネラ症の対策は、施設側の適切な管理に加え、指導する側にも幅広い知識と、多くの経験を積むことが必要です。
基本的には保健所では事業者に対する啓発や指導という手法をとっていますが、指導をする行政側のスキルアップも必要です。
保健所の担当職員さんは専門技能職として保健所に配属されており、他局への移動はなく、すっと保健所で業務を行っています。
そういった環境の中、特に若い職員さんの育成が重要であり、今後の課題であると考えています。