「ふれーゆ」が市民の皆さんに愛され続けるために!

高齢者保養研修施設ふれーゆは鶴見区末広町の臨港地区にあり、

隣接するごみ焼却工場の余熱を利用した施設として平成8年7月に開館し、

多種多様なプールと大浴場などを兼ね備えた施設として多くの市民に利用されています。

この施設は、保養研修等の機会を提供することで高齢者の健康増進、社会参加を促進するとともに交流を図り、

高齢者の福祉の向上に寄与することを目的としています。

だから正式名称は「高齢者保養研修施設ふれーゆ」と言うのです。

平成24年度には27万3千人の利用があり、このうち高齢者の利用は8万人で全体の3割です。

本市の高齢化率も、ついに21%を超え、超高齢社会に突入しています。

今後もますます高齢化の進行が加速化してくることを考えると、

高齢者にいきいきと活力ある生活を送っていただくことは大切なことであり、

ふれーゆが、高齢者の健康増進を図り社会参加を促すことのできる施設として役立っていることは、

大変意義あることだと思いますが施設の目的と利用実態にズレが生じているのも事実です。

私は、高齢者の施設であるということにとらわれず、多くの市民に利用してもらえる工夫をもっとすべきと考えています。

高齢者以外の利用が多いことに関して当局は、世代間交流に寄与しているので目的に合っているといった行政的な見解でした。

また、横浜市では現在、総務局を中心に、プールのあり方を検討していますが、

鶴見区を含めたエリアは、プールが近接した地域であり見直しの検討を行っている最中です。

今後、プールの数が見直しされた場合に、ふれーゆは、高齢者の保養研修施設という位置付けだけでは十分に機能を発揮できないと危惧しています。

施設のキャパとしては、まだまだ多くの方に利用してもらうことが可能な施設です。

今後も多くの方に利用してもらい、それによって、市民に利益還元ができるような施設運営をすることが重要です。

利益還元については様々な手法がありますが、

施設としての機能を十分に活かすことのできる手法を施策上の位置づけも含めて検討すべきです。

行政や指定管理者の努力やノウハウだけでは限界もあります。

行政や指定管理者といった制約のある立場からではなく、

民間のコンサル等の第三者からの意見を聞くなど、

今の時代に合う運営ができるような検討を進め対策を講ずべきと考えています。

この点について当局では、利用者が増え、収入が増えることはサービスの向上に繋がるものであり、

多くの方の意見を参考にして満足度が上がる施設運営をしていきたいとの見解を示しました。

要するに予算さえ確保できれば外部コンサルを導入して集客アップの検討をすることは

やぶさかではないと前向きな回答をしたのです。

ふれーゆを利用していて気付くこととして、夏場などは、利用者が非常に多く、土曜日曜日などは立錐の余地もなく、水も濁っていることがあります。

水質に関しては、衛生上の最低限の管理基準は当然遵守されていますが、

夏場であっても水のきれいなプールとして、安心して利用してもらうためには、

水質管理も含め、衛生管理を徹底する必要があると思います。

指定管理制度の課題でもありますが、行政は実際の衛生管理については、指定管理者任せになっており、

指定管理者自体も外部委託しているので、主体者不在の現状となっています。

法規制上の基準を満たすのは当然のことです。

衛生管理について許認可を与える立場である健康福祉局が管理運営する以上は、

ふれーゆのような多くの方が利用する施設であれば、実態に合わせた、施設ごとの固有の課題にもっと局として首を突っ込むべきです。

この件に関しては、ふれーゆは夏場1日に3千人も利用することがある施設なので衛生管理の向上に局として何が出来るのか検討していきたいと局長が前向きな方向性を示しました。

先日、ふれーゆを見学した際に、浴室で居合わせた足の不自由な利用者の方から、この施設は利用し難いとの意見を頂きました。

その方と施設内を一緒に歩いてみると、

浴室では、浴槽から洗い場までの移動に手すりが無く濡れた床の上を杖なし歩くのはとても危険であることや、

障害者用ロッカーの利用し難さ等、改善すべき箇所が多々見つかりました。

健康福祉局は、高齢者や障害のある方が、安心して利用できる環境づくりを進め、

移動しやすい街づくりや安心して利用できる公共施設の整備など、

バリアフリー、ユニバーサルデザインなどに、取り組んでいるハズなのに利用者の声はなかなか届いていなかったのです。

この機会に、障害のある無しに関わらず誰もが安心して利用できる施設になるように見直しをして頂くように要望をしました。

ふれーゆに関して地元にある施設ということもあり、私のところにプール利用者から不安を訴えるご意見が寄せられています。

そのひとつが「刺青のある方の利用」です。

利用者の中には、刺青に対しては、威圧感や恐怖感を抱く方もおり、

民間のプールでは、刺青のある方の入場禁止を徹底していることから、

「市営プールでも、民間プールのように、刺青のある方の利用をお断りすべきではないか」

との声もあります。

私はこの件に関しても刺青のある無しに関わらず誰もが安心して利用できることが重要であり、

そのルールづくりが必要と考えています。

昨年度に市民局が運営する市民プールについても、同様の提言をし、

市民局では、今年から掲示等により、刺青のある方にラッシュガードを着用して頂くお願いをして、

貸出用のラッシュガードも用意しました。

その結果、この対応に刺青のある方からも無い方からも好意的なご意見が上がっているそうです。

行政は縦割りなのでふれーゆに関しては同様の対応をしていませんでした。

今後ふれーゆについても検討進め何らかのルールをつくることを要望したことを受け、

現在は、市民局同様にラッシュガードの着用をお願いしています。

プールの利用者が、安心して安全に、さらに楽しく利用できる環境を整えることが運営者や管理者の役割です。その結果として、利用促進に繋がっていくものであると思います。

「ふれーゆ」は高齢者保養研修施設ではありますが、同時に多くの市民が、分け隔てなく楽しく利用できる施設であり、横浜市民の財産として、魅力ある施設づくりを進めて欲しいものです。

厳しい財政状況下であり、大規模な施設改修などは困難ですが、施設の安全性を高め、安心して楽しく利用できる施設を目指し、改革を進めることにより、利用者を増やしていくことは可能です。

結果として、それがサービス向上に繋がり、利用者へも利益が還元されるだろうと思います。

実施しているサービス内容の向上も、水のきれいなプールとなることも、安心という利益の還元です。

多くの方に、喜んで利用していただけるようになるために何ができるのか、

魅力のある施設として、永く親しんでいただけるようにするためにできることを、

今後とも取り組んでいくことが重要と考えています。

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