日本の技術力とコマ大戦

先日の私のブログや会合の場での私の発言が、

コマ大戦に反対しているとの話になっているようですので、

もう少し、丁寧に私の考えをお伝えしたいと思います。

そもそも、私は生粋の機械好きで、

幼少の頃からものづくりが大好きで、

大学では機械の勉強をしたいと小学生の時に決めていた程でした。

(もちろん大学は機械工学科です!)

そして、この日本の技術を次の世代に伝えていかなければならないと

真剣に考えているのです。

ですから私は、頑張っている中小製造業を応援しているのです。

それに対して、行政がどう支援するのかが重要なのです。

横浜市では、今年度に経済局が中心となり

コマ大戦の支援という事業を行なっています。

この事業が、中小企業振興基本条例に基づき、

市内企業の受注拡大に貢献する取り組みだと見えてしまう

危険性があることに私は危惧しているのです。

本質は、そこではないのです。

コマ大戦というツールを使うことにより、

広く一般の人達や子ども達と中小製造業の接点をつくることによって、

日本の技術を体感し興味を持ってもらうことにより、

将来の製造業に夢を与え、

次の世代に技術を継承し、

日本の製造業の発展に寄与していく

といった長期的な取り組みだと私は考えています。

私は、単に行政側がどこまで本質を理解しているのか疑問に思い、

本質を理解して支援をすべきだと考えを述べたのです。

そもそも中小製造業は、製品そのものを製造することは少なく、

製品の一部の部品を製造しているので、

カタチとしてエンドユーザーには見えにくいのです。

製造するものはBtoBがほとんどなので、

コマのようなBtoCの製品できっかけをつくることが

何よりも重要な取り組みだと思います。

先日も鶴見区の町工場を見学させて頂きました。

そこでは原材料を切削加工して部品を製造しているのですが、

NC作業が主流の時代に、

部品ロット数百個を全て手作業で加工していました。

その部品製造の制度の高さに経験値といった技術力を感じました。

今の若い世代は、数値入力により製造管理をしていることが多く、

原料部材の特性も体感して知る機会すら無い時代になっています。

部材の強度や靱性により切削速度をコントロールする必要があり、

その加減が製品の仕上がりや精度に大きく影響してくるのです。

そういった技術を見えるカタチにして伝えているのがコマ大戦なんです。

そこの本質をしっかり理解して支援をする行政であって欲しいと願っています。

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