議会で「外郭団体の透明性」について聞いてみました!

外郭団体改革に関して、横浜市では、これまでも様々な取組を行ってきていますが、まだまだ不十分で、さらに積極的に進めていく必要があります。

そして、改革を進めるにあたっては、行政と議会だけで進めるのではなく、市民の皆さんから理解をいただきながら判断していくことを、基本的な姿勢とすべきです。

そのためには、外郭団体の経営状況や、補助金などの市と外郭団体との様々な関係に関して、透明性を高め、それぞれの団体の必要性や市との関係が適正であるかなど、市民の皆さんが判断できる状況に見える化しすることが不可欠です。

そこで、まず

(1)外郭団体の運営や市による関与について、透明性を高めるため、どのような取組を行ってきたのか伺いました。

【横浜市の答弁】

透明性を高める取り組みについてですが、各団体の経営状況や市からの財政支援、人的支援の概要等につきましては、毎年市会に御提出している法人の経営状況を説明する書類による公表に加えまして、平成19年度からは外郭団体白書を発行し、本市の外郭団体改革の取り組みを紹介するとともに、全団体の一覧性を高めるなど、情報公開に積極的に取り組んできました。さらに、平成21年から平成23年にかけて開催した外郭団体等経営改革委員会では、会議を公開するだけでなく、配付資料や詳細な議事録も全て公表するなど、透明性の高い形で議論を実施しました。

私は、市がこれまで外郭団体改革を進める中で、外郭団体の数や役員数を大きく減らしてきていることは、ある程度評価をしています。

しかしながら、現在の取り組みは市民一般からは、情報を得にくい状況であることには変わりありませんし、その中身についても限定された情報であり、状況を理解するには不十分ですし、非常に分かり難い内容となっています。

私は外郭団体をすべて廃止すべき、と考えているわけではありません。それぞれの団体に固有の公益的な目的があって、その目的の達成のために、一生懸命に取り組んでいるということが、団体が存続する大前提です。

ところが、平成の初め頃までのような、外郭団体をどんどん作ってきた時代と比べて、社会の状況が大きく変化していることを考えれば、存在意義の見直しが必要ではないか、というのが率直な意見です。

色々な経緯やしがらみがあり、外郭団体の存続を最優先して、「必要な理由」を後からつけているようにも感じる団体もあります。

今後は、様々な点に関する「透明性」を高めた上で、それぞれの団体が果たしている公益性について、もう一度明確にしていく必要があります。

改革を進めていくにあたっては、すべての外郭団体について、その公益性や必要性も含めて改めて整理する、いわば「棚卸し」作業が必須であると考えています。そこで、

(2)外郭団体について「棚卸し」を行うことが必要との考えについて、本市の見解を伺いました。

【横浜市の答弁】

「外郭団体の棚卸しの必要性についてですが、これまでにも外郭団体等経営改革委員会において既存の団体の公益的使命をいま一度確認し、市の関与の必要性、財務の健全性等を基準に、対象団体全てを統合、廃止の検討が必要な団体や民間主体の運営が望ましい団体など4種類に分類し、経営改革に取り組んでいます。今後は、今年度中に外部の専門家による審議会等を設置し、団体のあり方や市の関与について、さまざまな状況の変化なども踏まえまして改めて検討して参ります。」

といった答弁でしたが、私は、今の取り組みが不十分であるから提言しているのに前向きな回答を得ることが出来ませんでした。

外郭団体に関する「不透明さ」の一つとして、「普通財産」である建物などを無償で貸し付けて管理運営を行わせていることがあげられます。

必要な手続きはきちんと行われており、法的に問題があるわけではありませんが、市民から見ればとても分かりにくい、まさに「不透明」な仕組みであると思います。

本市では、現在52カ所の土地や建物を外郭団体に無償で貸し付けておりますが、例えば経済局の所管する横浜市シルバー人材センターは、6カ所の事業所などの土地や建物を本市から無償で借りています。

シルバー人材センター自体の事業を否定するものではありませんが、本市は無償貸し付けしている理由を市民に明確に説明する責任があると思います。

それぞれの施設の無償貸付については、公益性があるから無償で貸している、とのことですが、この「公益性」というもの自体も何を指しているのかよく分かりません。

中には民間に有償貸付し収益事業として運営すべき施設でも、「公益性がある」と言って外郭団体に無償で貸し管理運営させている場合もあります。

このような外郭団体への普通財産の無償貸付については、それぞれの貸付が始められた時代とは様々な状況が大きく変わってきていることを考えれば、より透明性を高められるように、見直しを行うことが必要ではないかと考えます。

そこで、

(3)外郭団体に対する普通財産の無償貸付について、透明性を高めるべきと考えについて、本市の見解を伺いました。

【横浜市の答弁】

「外郭団体への普通財産の無償貸し付けについてですが、財団法人などの公共的団体が本市にかわって市民の皆様への公益的なサービスを提供する場合には、条例や規則に基づき、普通財産の無償や減額での貸し付けを行っています。このような中、平成25年度には、外郭団体等が市有地の貸し付けを受けて運営する一般駐車場について必要な見直しを行ったところです。今後も本市の貴重な財産として適切な管理に努め、外郭団体への貸し付けについても、市民の皆様から御理解が得られるようしっかり取り組んで参ります。」

とのことですが、そもそも一般駐車場の無償貸付の件についても、議会での指摘には対応さず、新聞で報道されたことを受けて、対応せざるを得なかっただけに過ぎません。ようするに積極的な見直しはしたくないと言っているのです。

外郭団体については、これまで市として様々な改革に取り組んできており、また市民生活に重要な役割を果たしている団体も多くあります。一部のわかりにくい仕組みが市民の皆さんの不信感につながり、外郭団体全体の信頼を損なうことがないように改革を推進することが重要です。

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