ごみ収集車をリースじゃなくて購入にすれば億単位でお金が節約できるのです!

横浜市は、たくさんのごみ収集車を保有していますが、このことについて私は、以前から提言していることがあります。保有する車両をリースから購入に切り替えると億単位で財源が節約できるのです。

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資源循環局が保有する車両は1000台を超え、そのうち主力車種の2tごみ収集車だけでも321台を保有しています。しかし、そのほとんどの88%にあたる282台がリースで、購入した場合より多くの費用が掛かっています。そこで、

 

(1) 2tのごみ収集車1台を例に挙げ、リースと購入の1年間あたりの費用を実績ベースで比較するとどうなるか、横浜市に聞いてみました。

≪横浜市答弁≫小型2トン機械車の例で費用比較を申し上げますと、リース車両は、過去3か年の実績平均から、8年間の総額を1年あたりに換算しますと、1台約140万円となります。

また、購入車両は10年使用し、使用後の売却益を差し引いて、1年あたりの費用を試算しますと、1台約106万円となります。

 

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実績ベースで比較すると購入の方が1台当たり年間で34万円安くなるのです。では、

 

(2) 2tのごみ収集車をすべてリースから購入に切り替えた場合の経費の差額について、横浜市に聞いてみました。

 ≪横浜市答弁》現在、2トンのごみ収集車をリースで282台調達しておりますので、これにリース費用と購入費用の1台1年あたりの差額、約34万円を掛け合わせて試算しますと、およそ9,600万円となります。

 

24年度当時のい状況で、約300台ある2tごみ収集車は約10年使用するので、年間約30台の入れ替えが必要でしたが、購入分は10台のみでした。そこで、25年度の予算審査で購入車両を増やすべきと主張し、「一層効率的な調達に努めていく」と議会で局長に答弁をしてもらいましたが、その後、どのようになったのか気になるところです。そこで、

 

(3) 現在どのように車両の効率的な調達に努めているのか横浜市に聞いてみました。

≪横浜市答弁≫2トンのごみ収集車につきましては、22年度から一定台数を継続して購入しており、全体に占める割合も少しずつですが上がってきております。また、リース車両につきましても、6年の基本契約期間を2年延長することで費用の低減を図ってきております。引き続き厳しい財政状況ではありますが、28年度は10台の購入を予定しており、今後も局内の事業の優先度を考慮する中で、工夫をしながら購入を継続してまいります。

 

 分かり難い答弁ですが、結論からすると、25年度の予算審査の時と何も変わっていないのです。

車両購入を増やすと一時的には予算増になりますが、翌年度からは節減効果が表れ、6年目からは現在の予算を下回ることとなります。そもそも、ファイナンスリースですから金利分は必ず加算される訳で、経済状況が悪化しても購入よりリース金額の方が安くなることはあり得ないので、リスクもありません。

例えば、隣の川崎市では、2tのごみ収集車は160台ほど保有しており、そのうちリースは現在10台程度とのことでした。理由を伺うと、10年ほど前にリースより購入した方が費用は安く済むと判断して、計画的に購入車両を増やしてきたそうです。他都市の事例を見ても、購入に切り替えない理由はなくなります。そこで、

 

(4) なぜ購入車両を増やさないのか聞いてみました。

≪横浜市答弁≫購入の方がリースよりトータルコストが低いということは先ほどお答えした通りです。一方では予算編成にあたりまして、財源の状況やその歳出の状況もございますので、勘案しながら何台の購入が可能であるのか検討し購入しているところです。できるだけ、広げていきたいという考えはあるのですが、一方で予算編成において苦慮している状況もあります。28年度について申し上げますと、10台の購入を予定しています。結果としてそのようになっています。

 

ちなみに逗子市は、ごみ処理予算が十分に確保できず、遂に家庭ごみを有料化しているので、このような地方自治体であれば、ごみ収集車をリースにして予算の平準化を図っているだろうと思い問い合わせしてみましたが、ごみ収集車は全てトータルコストの安い購入にしているそうです。こういう他都市の状況の中、横浜市が保有するごみ収集関係車両の800台以上がリースということは恥ずべきことにも思えます。先延ばしすればするほど、無駄な費用を支払っていることになりますので、早期の判断が求められます。

25年度の決算審査では、この件について鈴木(伸)副市長にも見解を伺っており「より効率的な調達に努めていく」と答弁し、リースと調達との価格差については「非常に重要な財源になる部分」との認識も示しました。そこで、

 

(5) 全市的に見ても効率的な車両調達を進めるためにリースから購入に切り替えるべきですので、再度、副市長の見解を聞いてみました。

≪副市長答弁≫私も前回そういった答弁をしたことははっきり記憶しております。金額だけで見れば購入のほうがメリットが出るというのはそのとおりだと思います。ただ、現実に、購入時に、単年度単年度の財源調達をどうするか、ということ、今は局の中で工夫しながら動いていますが、現実にはそこに限界があると思っています。今後の対応につきましては、局単独の問題ではなく、全庁的な課題と受け止めて対応を検討していきます。

 

議会で提言をしてもなかなか前進しない現状がありますが、全庁的に検討を進めることに期待したいです。

【参考】

※ごみ収集車の購入金額

  H25-10,101,000円 H26-11,307,600円 H27-11,328,000円

  3年間平均 10,912,220円→1年あたり1,091,220円(10年間使用と想定)

※売払い金額

  H25-300,000円 H26-400,000円

  2年間平均 350,000円→1年あたり35,000円

※リース金額

  H24-11,920,000円 H26-10,930,000円 H27-10,720,000円

  3年間平均(H25は新規リースなし)11,190,000円→1年あたり1,398,750円

※1台・1年あたり経費差額

 購入金額1,091,220円-売却金額35,000円-1,398,750円=▲342,530円≒▲34万円

 →▲34万円×282台(リースでの調達台数)≒▲9,600万円

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