横浜市の「ファイブラウンド方式」を導入した英語教育【動画あり】

「ファイブラウンド方式」を導入した英語教育

 

中高一貫教育校である南高校附属中学校で既に実践している、英語の教科書を1年に5回繰り返す「ファイブラウンド方式」については、新聞報道でも取り上げられ、85%の生徒が英検準2級以上に合格して英検の協会から表彰されるなど、成果が上がっており、全国的に注目され、視察者が多数来校していると聞いています。

  本市の市立中学校では、まだ一斉に導入していませんが、南附属中学を視察した埼玉県熊谷市では、市立全中学校でファイブラウンド方式を採用実践していると聞いています。南高校附属中学校で先駆的に開発し、実践を始めましたが、中学校への横展開では他都市が模倣して先行している状態にあります。そこで、

 

(1)南高校附属中学校で先駆的に行っているファイブラウンド方式を視察した他都市が英語教育に取り入れていることについての見解を教育長に伺いました。

 

【教育長答弁】南高校付属中学で実施している英語のファイブラウンド方式については、教科書を繰り返し「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を5回のラウンドを通して磨くという特徴があります。この部分を他都市にご評価いただいたものと思っています。

 

他都市が模倣して先行している状態についての見解を聞いたのですが、答えられないくらい都合の悪い状況のようです。仲間の伊藤議員が今年2月の予算代表質疑で、「ラウンド方式の市立中学校への横展開」について質問をし、教育長は、「他の市立中学校への導入も検討する」と答弁されています。そこで、

 

(2)ファイブラウンド方式の市立中学校への横展開の検討状況について国際教育等担当部長に伺いました。

 

【担当部長答弁】ラウンド方式については、毎年、南高校付属中で行う公開授業研究会について市立中学校に周知し、英語科教員が実際に見ることで、ラウンド方式の理解を進めています。また、ラウンド方式を実践している市立中学校の取り組み状況の把握や、授業づくり講座などを行うことで、教員の授業力向上を図っています。南高校付属中が採用しているファイブラウンド方式だけではなく、教科書のユニットごとのラウンドや前の学年の学習内容も合わせた2年間、あるいは3年間のラウンド方式など、教科書の使い方については、生徒の学習状況に応じた、様々な方法を活用し、生徒の英語力向上に努めて参ります。

 

結局は、今の学習内容でも復習をしているので、ある意味ラウンド方式と同じであると言っているのですね。では、何で成果に違いが出るのでしょうかね?

ラウンド方式の導入について、学校現場の声を聞いてきましたが、一般の市立中学校では高校受験を念頭に置くことが大切であり、高校受験がない前提での南高校附属中学校のラウンド方式をそのまま導入することは難しいとの意見がありました。しかし、同様に高校受験のある他都市の市立中学校が実施しているので、そのような考えは、理解に苦しみます。 一方、本市では横浜型小中一貫教育を進めており、西金沢小中学校と霧が丘義務教育学校では、特色ある教育課程を編成するとしています。そこで、

 

(3)西金沢小中学校や霧が丘学園へのファイブラウンド方式の導入について、国際教育等担当部長に伺いました。

 

【担当部長答弁】両校では、義務教育9年間の連続性や一貫性をより重視した特色ある小中一貫教育を推進しています。英語教育についても学校の特色を生かし、子どもの実態を踏まえたカリキュラム編成や指導方法を検討、実施しているところです。今後の小学校英語の教科化を踏まえ、ラウンド方式を含めた指導方法について検討していきます。

 

どうしてもラウンド方式には抵抗があるようです。では、高校受験がないという点では、同じ中高一貫校である横浜サイエンスフロンティア高校附属中学校の英語教育には、このラウンド方式に着目できると思います。そこで、

 

(4)横浜サイエンスフロンティア高校附属中学校への導入について、国際教育等担当部長に伺いました。

 

【担当部長答弁】横浜サイエンスフロンティア高校付属中学校の英語教育については、現在検討を行っているところです。同校に相応しい英語教育となるよう、南高校付属中のファイブラウンド方式をはじめとした様々な中高一貫教育校での実施方法を参考にしながら研究を進め、よりよい方法で実施していきたいと考えています。

 

  教育には正解はありませんし、比較検証も難しいものです。だからこそファイブラウンド方式を展開できない理由を考えるのはなく、より良い教育環境を目指すためにも、積極的に新たな挑戦をして頂きたいと思います。

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