今年も油断できない風水害!

今回の議会では、安心・安全といった観点から風水害対応について市長に質問を行いました。

昨年の台風19号では、初めて風水害による避難勧告が出され、鶴見区内だけでも3千人ちかい方々が避難所に避難されました。風水害で避難所を開設したのは初めてといったこともあり、現場では混乱があり、様々な課題が見えてきました。

ひとつは、市民と行政の認識のギャップです。風水害での避難は、予め予測できるものだから、避難所で待機する間の食料や毛布などは、各自持参と行政は考えていましたが、市民の多くは手ぶらで避難所に来ていました。震災時の避難と、風水害での避難の違いを認識していなかったのです。

 行政の考えは正しいのだけれども、市民の皆さんの認識も理解できます。雨風の中、お年寄りにたくさんの荷物を持って避難してくれというのも無理な話だし、避難所には備蓄品があることは事実です。

そこで行政がやるべき何よりも大切なことは、市民の皆さんの認識とのギャップをうめることではないでしょうか。

(有村議員の質問)風水害に備える上で知っておくべき情報を市民の皆さんに確実にお伝えするべきではないですか?

(横浜市の答弁)非常時の持ち出し品などの具体的な内容を盛り込んだ行動計画(マイ・タイムライン)のリーフレットを作成して配布しホームページにも掲載します。各種の研修や地域での訓練などでも活用していきたい。

ひとつは避難所の運営です。風水害時の避難場所は、区役所が開設・運営することになっていますが、避難所に配置される職員は、その地域事情について十分に精通しているとは限りません。たくさんの方が避難してきた際に避難所の運営を、行政の職員だけで行うのは無理があると思います。

民生委員さんの方が要援護者の状況を把握していますし、町会役員さんの方が地域事情を知っています。地域の方々からは、積極的に協力したいという声もたくさんありました。行政は、地域と対話をしながら、互いに協力しあえる体制を整える必要があるのではないでしょうか。

(有村議員の質問)地域との連携を含め、避難所ごとの柔軟な開設・運営の方法について検討していくべきでは?

(横浜市の答弁)避難所の運営に積極的に協力して頂けるという声が地域からも出てきてるので、避難場所ごとに、そうした地域の実状や特性なども踏まえて柔軟な運営方法を、区役所と共に検討したい。

もうひとつの課題は、ユニバーサルの観点です。横浜市では、避難所での生活が困難な要援護者を受け入れるため、福祉避難所も設置していますが、一旦、避難所でトリアージ(選別)してから福祉避難所に案内するといった流れだったため、現場では混乱が生じていました。

避難所に配置された限られた職員(基本2名)は、避難者の受入で手一杯で、個別に対応できる状況ではありません。また要援護者に対し、台風の中やっとの思いで避難したのに、別の場所へ移動してくれと言うのも酷ではないでしょうか?

更に言うなら、そもそも避難所となっている体育館が1階なのか2階なのか、避難場所に多目的トイレがあるのか?といった情報すら行政として事前に把握されていない状況でした。

(有村議員の質問)風水害発生時に向けた、福祉避難所の今後の対応が重要では?

(横浜市の答弁)風水害発生時の避難に当たっては、昨年の台風を経験し、激しい風雨の中で避難場所から福祉避難所への移動は非常に難しいと考えています。また、ご指摘のような課題もあったと認識しております。先ずは、避難場所において、要援護者の受入ができるように具体的な内容の検討を進めていきます。また台風通過後も、避難場所での生活が困難な要援護者が居た場合には、区が状況を把握した上で開設を要請し受入れを進めていきます。

今年も昨年のような規模の風水害が起こるのではないかと多くの方が危惧しています。風水害時の逃げ遅れゼロと、被害を最小限にするために、地域に寄り添った取組を強化していくことが重要であり、そういった観点より今回の議会では市長に提言・質問を行いました。

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