これからの時代は行政の保有資産の戦略的活用が重要!

人口減少社会において、自治体は経営破たんすると言われる一方で、莫大な資産を持っているとも言われています。その保有資産をどう取り扱うかで将来、自治体の経営状況が大きく左右します。

今までの行政は、お預かりした税金を使うといった発想しかありませんでしたが、これからの時代は、行政自らお金を生む仕組みを考えていかなければならない時代です。

今まで行政は保有資産を、維持管理という歳出の対象として見ていましたが、これからの行政は、保有資産を活用して収益を生み出す時代です。

近年、公共建築物やインフラの老朽化による維持管理費の増大を背景に、行政が保有する資産の有効活用への関心が高まっています。行政が保有する資産を、維持管理という歳出の対象としてではなく、そこを活用して収益を生み出し、歳入につなげていくものとして、「稼ぐインフラ」といった言葉を使う事例も見られるようになりました。

国も同様の問題意識から、地方自治体の財産について規定した地方自治法や、最近では都市公園法の法改正にみられるとおり、行政が保有する様々な資産を「管理」の対象から「活用」の対象へとシフトするような動きが見られてきました。また、民間事業者側からは新たな市場として注目が集まっています。

私は、横浜市は他都市と比べて多くの分野で資産の活用を進めている方だと評価しています。例えば道路局では、道路や道路予定地など、多くの資産を保有しており、今までに、道路占用入札制度等を活用した道路区域内未利用地の有効活用や、道路事業に着手するまでの間の暫定的な活用として道路予定地の貸付、駅自由通路などの道路施設においては広告事業の実施、橋梁や歩道橋においてはネーミングライツを導入するなど、様々な資産活用を図っています。

一方で、まだまだ進んでいない分野や、さらに一層取組を進めていかなければならない分野があるとも感じています。廃止となった職員住宅や、使う予定の無い下水道用地など、遊休資産がたくさんあるのです。

厳しい財政状況の中、自主的に財源確保に取り組み、一般財源だけに頼らない予算編成を進めていくことが極めて重要です。

私は、「活用」と一言に言っても、公益的活用と収益的活用があり、収益的活用も、公益的活用に勝るとも劣らないほど重要なものだと考えています。公共施設の跡地などは、できるだけ早期に収益的な活用も図っていくべきで、そうした資産の活用を検討するにあたって、本市では「用途廃止施設の活用・処分運用ガイドライン」を策定していますが、まったく活用されていなのが現状です。

そこで「このガイドラインをもっと上手く活用して、用途廃止施設の後利用を積極的に進めるべきでは?」と聞いてみました。

横浜市答弁)「用途廃止施設の後利用は、地域の賑わいや経済の活性化、防犯や防災につながります。また、市政を着実に推進するための財源確保にも貢献いたします。有村議員の言うとおりです。そこで、区局の役割分担を明確にして、意思決定の迅速化を図るために、ガイドラインをより実効性の高いものに改定いたしまして、後利用の促進に積極的に今後取り組んでいきます。」

将来の横浜の状況を鑑みると、用途廃止後は放置する余裕は無く、速やかに活用を検討していく必要があるのです。

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