横浜は都市デザインをもっと推進しましょう!

※2020年10月に横浜市議会、決算特別委員会で有村としひこ議員(鶴見区選出)が質問をした内容です。

 

本市で都市デザイン行政の推進を始めて半世紀もの間、港町横浜の特徴的な街づくりをけん引してきました。

この取り組みの結果が、横浜固有の魅力であり、「横浜らしさ」の重要な要素となっています。そこで、

 

(1)これまでの都市デザインの推進による成果をどのように捉えているのか局長に伺いした。

≪局長答弁≫【横浜の成長に伴う都市課題の解決のために取り組んだ、例えば六大事業ですね、こういったものに合わせて、みなとみらい21地区のグランドデザイン、それから港のシンボルとなるベイブリッジのデザイン、さらには港北ニュータウンに広がる緑の配置などを都市デザインの取り組みとしても進めてまいりました。また、横浜の最大の魅力である海と緑、歴史をいかして、臨港パークから象の鼻パーク、あるいは日本大通り、山下公園に至るウォーターフロントの軸の形成であるとか、歴史的建造物の保全等を進めてまいりました。これらによって、先生からご指摘のありましたように、横浜の魅力ある都市空間が形成されてきたと考えています。】

 

過去には、例えば関内周辺において、高速道路の高架が地域を分断するといって高速道路を地下につくったり、地下鉄整備に併せて旧庁舎横にくすのき木広場を整備したり、都市デザインの観点から、都市空間の価値を高める努力をしてきました。それが今、時を経て、横浜の魅力ある街並みに繋がっています。欲を言うなら私は、中村川の上の高速道路も全部取ってしまいたいと思っているのですが。そこで、

 

(2)都市の顔となる代表的な横浜の景観を形成するため、その場所ごとに具体的な思想を持ち、魅力ある都市空間を形成していくべきと考えるが、局長の見解を伺いました。                         ≪局長答弁≫【景観法に基づき景観計画を定めまして、特に特徴的な景観を有する関内、みなとみらい、山手地区につきましては都市景観協議地区を指定しています。これに基づいて、具体的な協議を行うことで、地区ごとの特性を生かしながら、良好な景観の形成に向けた取組を進めております。さらに、地区の核となるような事業におきましては、具体的なコンセプトを作成し、例えば、旧市庁舎街区で歴史的な街並みを継承しながら、関内の新たなシンボルとなるような景観形成を作っていこうと、こうした取り組みを進めているところでございます。】

 

快適な都市空間の形成のためには、駅前や歩道等の市民が身近に利用する空間が、心地良い空間として整備されていることが重要です。

これは汽車道です。桜木町の駅を降りて、ワクワクしながら汽車道の方に歩いて行くと、

クオリティの低いサインが置いてあり、創造都市横浜の景観を乱しています。私が議員になって、最初に景観について提言したのは2012年なのですが、

これは当時の象の鼻パークなのですが、当時、外周一面に来訪者を拒絶するかのようにクオリティの低いサインが置いてありました。

これを市職員の皆さんの努力でペリコに変えてもらいました。すると大きく雰囲気が変わり、たちまち、インスタ映えスポットとして多くの来訪者が訪れるようになり、ドラマ「逃げ恥」では主人公がペリコの前で待ち合わせするなど、素晴らしい景観としてメディアも評価しているのです。

これは一例としてお示ししましたが、駅前広場など多くの人が集まる場所については、ヒューマンスケールを踏まえた景観デザインをしっかりと行っていくことが重要と考えます。そこで、

 

(3)駅前広場や歩行者空間などの公共空間においては、市民や来訪者の目線に配慮した景観の質の向上を図るべきと考えますが、部長の見解を伺いました。

≪企画部長答弁≫【多くの人が集まる駅前広場や歩行者空間につきましては、地域ごとに求められる機能をしっかりと確保しながら、歩行者にとって心地よい空間となるよう、デザイン性を高めるような取組を行っております。具体的には、周辺の景観と調和した、舗装の素材・色彩の選定やストリートファニチャーの設置、緑の配置など、道路管理者をはじめとした関係区局と調整を行いながら、公共空間の質の向上にしっかりと取り組んでいるところでございます。】

 

横浜の魅力のもうひとつは、開港以来の歴史的建造物が建ち並ぶ街並みです。しかし残念ながら、歴史的建造物が壊されてしまったり、近接してナショナルチェーンが立ち並ぶなど、エリア全体で、魅力ある歴史的な街並みを形成するには物足りなさを感じています。そこで、特に旧市庁舎の周辺の

 

(4)関内地区においては、エリア全体で歴史的な街並みをより形成していくべきと考えるが、部長の見解を伺いました。

≪企画部長答弁≫【関内地区では、開港以来の西洋建築物、戦後のモダニズム建築や防火帯建築など、時代背景の異なる様々な歴史的建造物が、エリア毎に特色を持って存在していることが魅力だと考えています。例えばですけれども、日本大通りでは、西洋建築物の保全・活用を行うとともに、建替えが生じた場合には、周辺と調和したデザインとするような調整しています。また、関内地区に隣接する場所になりますが、吉田町では防火帯建築を保全し、アーティストの拠点として活用するなど、歴史的建造物を生かした街並み形成に取り組んでいます。】

 

この分野の取組は、10年後、50年後といった長い月日を経てから評価されるものもあり、行政においてはなかなか手がつけづらい面があると思いますが、横浜の将来を考えた時に、選ばれる都市になるためには、重要な取り組みです。そこで

 

(5)横浜の都市の魅力向上に向け、都市デザインを強力に進めていくべきと考えますが、局長の想いを伺いました。

≪局長答弁≫【横浜の都心臨海部では、開港以来の歴史が感じられる、先生からお話のありました関内地区や、超高層建築物が建ち並ぶ新しいまちとしてのみなとみらい21地区、地区ごとの特徴を生かした都市景観の形成にこれまでも取り組んでまいりましたが、引き続きしっかりと取り組んでまいります。また、郊外部では、古民家等の歴史的な資源の保全・活用や、それから水や緑を生かした河川沿いのプロムナードの整備など、横浜が持つ地域ごとの特性を生かした景観づくりに都心部・郊外部両方しっかりと取り組むくことで都市デザインとして進めてまいります。】

 

私は、前回の予算総合審査でも提言しましたが、今、横浜がやるべきことは、もっと市民の心の豊かさを育む施策に力を入れること。そしてシビックプライドを高めることなのです。だからこそ都市デザインの役割は重要なのです。ここを忘れずに推進して頂くことに期待しています。

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