今後の市営動物園のあり方って何だろう?

横浜には3つの動物園があり、私は今まで、運営について様々な提言をしてきましたが、今回は、動物園の将来について考えて参りたいと思います。

これはズーラシアですが、身近な場所で様々な動物を生で見られることや、その生息環境を肌で感じることが出来、動物園の魅力をあらためて感じます。そこでまず

 

(1)動物園が果たすべき役割について、公園緑地部長に伺いました。

 

【部長答弁】動物園の果たすべき役割には、「レクリエーション」「環境教育」「種の保存」「調査研究」の4つが挙げられます。多くの方々に向けて、動物とのふれあいを通じ、楽しさ、憩い、癒しの場を提供するとともに、世界の野生動物の生態と現状を理解し、地球規模での保全に向けて行動するきっかけを提供します。併せて、種の保存及び調査研究活動などの国際的な役割も担っております。

 

設立当初から、この役割を担ってきたわけですが、時代の流れと共に動物園の求められる役割も変わりつつあると私は感じています。これからの時代はSDGsが必須であり、動物園も環境保全の観点から、その役割を担っていくものと考えます。4つの役割に合わせて言うなら、特に地球環境を考えれば、環境教育の取り組みの推進に期待しています。そこで、

 

(2)3つの動物園における環境教育の取組の方向性について、局長に伺いました。

 

【局長答弁】横浜には3つの動物園があるわけですが、野毛山動物園では、はじめて動物にふれあい、動物への親しむきっかけを目的とした人気動物の誕生会等を、次に金沢動物園では、身近な生き物や自然への興味を醸成することを目的に、飼育員による動物の 生態、行動に関するガイドなどを行っています。また、ズーラシアでは、スライドでもございましたが、世界の動物の生息環境や野生動物の保全について理解を深めるため「進化の学校」など、環境教育の専門家による講演会なども開催しております。今後とも、諸外国等の先進事例も参考にしながら、動物だけでなく、その生息環境、さらに地球環境保全への理解へとつながるよう、3園それぞれの特徴を 生かしながら、あらゆる世代が楽しみながら学べるような、環境教育の機会を提供していきたいと、このように考えています。

 

本市は、「環境未来都市」から「SDGs未来都市」へのステージアップした訳ですから、ズーラシアの立地を考えると、隣接する里山ガーデンや動物の森公園を一体的に考え、地産地消や、自然エネルギーの活用など、地球環境保全の教育を行う場として、地域住民を巻き込んだ官民一体型の環境保全公園にしていくくらいの発想が必要ではないでしょうか? もっと世界に目を向け、グローバルサウスとの協働など、脱成長のモデルエリアとして成長していくことも可能かと思います。発想が飛びすぎて現状の横浜市では受け止められないようなので、これは意見にとどめておきます。

 

続いて少し観点を変えまして、野毛山動物園の話をしたいと思うのですが、野毛山動物園は、横浜の中心部にある「身近な動物園」として市民に親しまれています。

Googleマップで見た野毛山です。まさに横浜の中心部にあり、この立地に大きなポテンシャルがあると私は考えています。

 

例えば、野毛山動物園は、野毛山公園の一部ですが、公園に隣接する場所には、昨年水道局から環境創造局に所管替えされた野毛山公園プールの跡地があります。

先ほども申したように、ここはもともと水道局の土地だったのですが、水道局は無理やり本庁舎に入居させられて、お金が無いものだから6つの土地を物納したんです。そのひとつがこのプール跡地なのです。そこで、こうした跡地も含めて

 

(3)野毛山動物園を中心に公園全体として、一体的に価値を高める検討をすべきと考えますが、局長に認識を伺いました。

 

【局長答弁】令和3年度に開園70周年を迎えた野毛山動物園は、長年市民の皆様に愛され、地域の賑わいに貢献しております。都心部にあり、立地特性もよいことから、年間約70万人が訪れる市内でも有数の集客施設となっています。この、動物園を有し、芝生広場や遊具、展望台等がある野毛山公園を一層魅力的にしていくためにも、当該用地を一体的に活用していくことは大変重要なことだと認識しています。今後も、来園される市民の皆様や地域の皆様の御意見を伺い、周辺のまちづくりもこれから進んでいくと思われますので、こちらも踏まえながら、事業化について検討を進めていきます。

 

もう一度、野毛山の地図を見て頂きたいんですけど、ここを歩くと気付くのですが、赤で囲った部分、ここは柵で囲まれていまして、誰も入れない空間なのです。

緑で覆われた場所なのですが、水道局の旧野毛山配水池なんです。どちらかと言うと、ここを物納すればよかったのに、と個人的には思う訳ですが、野毛山の一等地に長い間、誰も使えない空間として残っているのです。こうした縦割り行政の弊害を見直していくべきです。野毛山動物園周辺を一体的に捉えて、エリアの価値の高める検討を進めていただくことを横浜市に要望しました。

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