SDGs推進に取り組む企業・団体への行政の支援は?

 378万人を擁する巨大都市・横浜においては、SDGsの推進に向けた取組をいかに浸透させていくかが重要です。そのためには、行政自身もさることながら、様々な活動主体に多彩な取組を展開していただくことが求められています。

 特に、現下のコロナ禍は、ともすればSDGsへの取組意欲を減退させる恐れがありますが、温暖化対策統括本部では、コロナ対策と市内経済の活性化を同時に進めることを目的として、SDGsと新しい生活様式を両立する「SDGs bizサポート事業」を昨年度から実施しています。

 この事業は、「くらし・経済対策」の一環として実施されていますが、これとは別に、事業者支援の新たな取組として、昨年8月から、事業者がSDGsを活用して持続可能な経営・運営に転換することを支援する認証制度「Y-SDGs」を運用しています。事業者の取組を4分野・30項目で評価するもので、令和3年は240社が認証を受けています。

 認証を受けること自体で、一定の効果が生まれることは理解できるのですが、厳しい経済状況の中では、事業者に寄り添い、手を差し伸べるような支援についてもニーズがあるのではないでしょうか。

様々な活動主体の事業連携は、取組の幅を広げる大きなチャンスでもあり、ぜひ進めてもらいたいと考えています。また、経済を回していくためには、行政ばかりではなく、金融機関による支援についても期待したいところです。

 温暖化対策統括本部では、複数の金融機関に呼びかけ、政府が掲げる「地方創生SDGs金融を通じた自律的好循環の推進」を目的として、Y-SDGsに関する連携策を検討する協議体「Y-SDGs金融タスクフォース」を設立しました。

 この「地方創生SDGs金融」が目指す「自律的好循環」とは、地域課題等の解決に向けて公的資金や民間資金が投入され、またその取組によって得られた収益が地域に再投資されることで、持続可能なまちづくりを目指すこととされています。

 Y-SDGs金融タスクフォースなどの取組により支援策が充実することに期待する一方、法人格を持つなど、しっかりとした組織体で、かつSDGsに相当の関心を持って取り組んでいるところでないと使えないのではないかとも思っています。

 個人や自治会、実行委員会などが取り組んでいる地域活動、あるいはSDGsにまだ意識が向いていない活動主体にも目を向けて、先進事例に関する情報発信や、ヨコハマSDGsデザインセンターなどの中間支援組織によるマッチングなど、SDGsへの関心を喚起し活動の裾野を広げる支援などについても取り組んでいくことが重要と考えています。

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