文化芸術創造都市施策が衰退していることを危惧しています!

文化芸術による賑わい創出の仕組みづくりについては、中期計画の中で、一番心配している施策です。

横浜では、これまで様々な文化芸術をテーマとしたイベントに注力することで、来街者を呼び込み、まちを盛り上げてきたことは評価しますが、このようなイベントありきの集客は20年前の手法なのです。

そのため山中市長は、単にイベントを開催して来場者数を増やすだけではなく、まち自体の賑わいにつなげていこうという次のステップを考えているものと勝手に理解しています。そこで、

(1)文化芸術による賑わい創出に向けた今後の方向性について、山中市長に伺いました。

《市長答弁》

横浜には歴史的建造物や美術館のほか、今音楽アリーナの集積が進んでおりますけど、そういった魅力的な文化観光資源が既に数多く、そしてこれからもつくられていく予定になっています。また、専門文化施設や民間の事業者など、文化芸術を支える人材も活発に活動しているのも横浜の強みであります。課題は御指摘いただいたとおり、これらが今まで点と点としてあったものを線にしていく、面にしていく、そういった資源をつなぎ合わせて、まちづくりに、まちの賑わいに結びつけていく。そういった視点が必要なのではないかと思っております。今後、横浜が持っている資源をきちんとつなぎ合わせることに加えまして、商業施設や観光事業者との協働を一層強化していかなければいけないと思っております。プレイヤー、あるいは資源は色々とあるのですが、それらをつなぎ合わせていく、ということが行政の役割だと考えておりますし、それをソフト、ハードの両面から支えられるような新しい体制づくりも進めたいと思っております。回遊性を高めること、それらを通じてまちの賑わいをつくっていくこと、これらを目標に文化芸術による賑わいを是非つくっていきたいと考えています。

基本的に文化・芸術もスポーツと同様にイベントとして捉えているだけなのです。ここからが本題なのですが、山中市長には良く聞いて欲しいところです。

今のご答弁の内容は、10年前から言われていることですし、ずっと取り組んでいることなのです。ステップでいうと初期段階。このままでは、世界から横浜の文化・芸術は停滞したどころか、後退したとレッテルを張られ、山中市長の汚点にさせられてしまうことを心配しています。

山中市長もそうなのかも知れませんが、私は文化・芸術について専門的知識はありません。しかし議員になってから12年間、国内や世界の文化・芸術によるまちづくりを見てきて、まちが賑わったり、人が育つといった効果を学んできました。

世界の成熟した街というのは、文化・芸術が街に溶け込んでいるのです。要するに、そこで文化・芸術活動する人が、定着しているということなのです。

・文化・芸術と市民を繋ぐのは、行政じゃなくて、そこで活動している人が繋ぐのです。

・文化・芸術と子ども達を繋げ、心豊かに育てるのも、そこで活動する人です。

・文化・芸術を街の賑わいに繋げるのも、そこで活動する人なのです。

アーティストとかクリエイターは、取り組みの効果ついて、やってみないと分からないとか言うし、実際の効果も10年後20年後に見えてくる分野でもあるから、定量的に効果測定し難く、施策の投資判断は難しいのですが、是非、この分野に詳しい人の話を聞いて欲しいです。

少なくともインバウンド含め、文化・芸術に関心の高い来訪者は、意識も成熟しているし、所得が高い層がほとんどです。文化・芸術がまちに定着すれば、1年を通して高い経済効果が見込めます。

従って、限られた財源の中、横浜の文化・芸術施策の推進に効果的に投資したいのであれば、イベントをするだけではなく、横浜で文化・芸術活動する人を戦略的に集積し、支援し育てることが重要で、それが都市ブランディングとなり、持続的な横浜の発展に繋がっていくのです。

あらためて事業の本質をしっかりと見直すことが必要です。

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