決算特別委員会にて都市整備局の質問を行いました

決算特別委員会の局別審査にて
都市整備局の質問に立ちました。
質問内容は、以下の通りです。

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世の中の景気は、企業の生産活動や主要経済指標に回復の兆しが見られるものの、
世界的な経済の悪化などの影響を受け、わが国の経済の先行きも不透明な状況であり、
本市の財政状況についても、ますます厳しくなることが予想されます。
そうした中、地球環境問題への地域としての社会的責務の増大や、
災害に対する備え等、都市づくりに対する要求も一層大きくなっています。
このため、今後の都市づくりは、これまで以上に
効果的・効率的に進める必要があるとともに、
幅広い視野のもと総合的な取組が不可欠です。

このような状況を踏まえ、都市整備局の事業について決算審査を行いました。

1 【都市整備局の役割と他局との連携】

まず、都市整備局の役割と他局との連携については、
都市づくりを考える際は、業務集積や交通インフラのみならず、
文化や観光、防災、福祉、環境など、
都市に関わる様々な要素を考慮に入れていく必要があります。
これらはもちろん、都市整備局だけで進められることではなく、
関係局も含め、様々な主体と協調した取り組みが必要となります。
そこで、

(1)日々めまぐるしく変化する今の時代の中、街づくりの推進にあたって、
都市整備局の果たすべき役割をどのように捉えているのか、
中田局長にお考えを伺いました。

都市整備局の取り組んでいる事業の中には、
本来の都市基盤の整備といった効果だけではなく、
様々な事業効果を生み出しているものが多くあります。
中でも観光面については、
林市長もその重要性を常々訴えられています。
みなとみらい21地区の整備をはじめ、都心部のまちづくりは、
集客面でも大きな役割を果たしています。
その中で、都市整備局で取り組んでいる
歴史的建造物等をライトアップする夜景演出事業に関して何点か伺いました。

(2)22年度の夜景演出事業の実績について伺いました。

この事業は夜の景観形成を目指したものですが、
観光や経済の効果も大きく、この事業を推進するためには、
民間と行政との連携が不可欠だと思います。
そこで、

(3)関係機関とどのように連携しているのか伺いました。

これからは、このように協働していくことが、より重要となりますので、
引き続き、連携して取り組むよう都市整備局に要望しました。

ライトアップは現在、3月の東日本大震災に起因する深刻な電力不足に対応するため、
多くの施設で休止しており、とても残念に感じていました。
エネルギーの問題も大事ではありますが、
横浜の夜の魅力をたくさんの方に楽しんでいただくためにも、
1日も早く再開してほしいと思い、

(4)ライトアップの再開予定はいつか伺いました。

財政状況も依然として厳しい状況ですが、
このような横浜を元気にする上で効果の高い取組を積極的に展開し、
街づくりを観光面での魅力向上にもつなげていくことが、
今後ますます重要になると考えます。
そのような視点から、

(5)街づくりの推進にあたって、観光政策を担当する「文化観光局」との役割分担・連携についての考え方を副市長に伺いました。

各局事業の連携の密度を高め、より高い相乗効果が発揮されるよう、
各局の協力体制づくりなども含めて積極的に取り組んで頂くことを
都市整備局に要望しました。

2 【市街地開発事業の仕組みと今後の進め方】

市街地開発事業につきましては、きのうの総合審査の答弁でもありましたが、
本市の都市づくりにおいて、防災性や安全性、利便性の向上だけではなく、
雇用創出等の様々な効果が期待でき、非常に重要な事業と理解しています。

林市長のきのうの答弁の中で、
「市街地開発事業は着実に進めていく。」
とおっしゃっておりましたが、
「着実に」
という部分が市民には見えにくい状況です。
また、資金の構成や施行者の選定など、
事業の仕組みが分かりにくい点も課題だと感じていました。
そこで、市街地開発事業の仕組みと今後の進め方について、
ひとつひとつ紐をときながら質問しました。

市街地開発事業は、
都市整備局の22年度決算説明書を見ると、
歳出は、まちづくりに関わる純粋な事業費として約300億円あり、
このうち市街地開発事業費は約150億円と全体の半分を占める
重要な事業です。

(1)そこで先ず、局長に22年度実施した市街地開発事業はいくつあり、
そのうち中田局長として注力した事業は何か伺いました。

市街地開発事業の事業費は、決算書の中で、
特別会計に計上されているのはもちろんのこと、
その他にも、一般会計の中の「10款の都市整備費」
及び「16款の諸支出金」の項目でも計上されており、
事業費がいくつかの項目にまたがり、
大変分かりにくい状況です。
また、一般的な公共事業とは異なり、
本市以外でも施行者になることができ、
市街地開発事業の施行者がどこなのかによっても
本市の事業費負担割合が異なります。
このように複雑な市街地開発事業を
広く市民の皆様に理解していただくことが重要であり、
そのためには、仕組みや予算の流れがどのようになっているのか、
本市としても分かりやすく説明していくことが必要だと考えました。
そこで、

(2)市街地開発事業における事業費の基本的な考え方と
財源を含めた予算の仕組みについて伺いました。

事業費や財源の仕組みは、詳しく説明されれば理解できるものの、
日ごろから業務に携わっていないと、理解するのは難しいと思います。
市街地開発事業の中でも、組合施行の事業は、
地元権利者が公法人を設立して施行者となって事業を行うもので、
補助金等の公費負担と民間企業の投資によって事業費をまかなう、
最も複雑で特殊な事業であると思います。
22年度実施している7事業のうち2つが組合施工のものです。
このうちのひとつ、

(3)上大岡C南地区の22年度の決算額における市費負担などの財源内訳と、
全体事業費の関係はどのようになっているのか、伺いました。

当地区は事業費が事業の進捗とともに変動しています。
そこで

(4)上大岡C南地区の事業費の変更の経緯と、
その要因、そして、それに伴う市費負担の変化について、伺いました。

道路事業を始めとする公共事業では、設計の精度や地権者の状況によって、
事業費の変動が発生しますが、
再開発事業は、このほかにも更に様々な変動要因が関係しています。
このように複雑な仕組みの再開発事業を進めていくには、
関係者の皆様の大変なご苦労があるものと思われます。
こうした苦労を市民の皆さんに知っていただくのは難しい面もありますが、
事業費の変動などは、正当な理由、根拠があるものですので、
それを、市民の皆様に分かっていただくことが必要だと思います。
そこで、

(5)これまで、事業費の変動などはどのように市民に伝えてきたのか。
また、今後、より一層の市民の皆様の理解を得るために、
その内容を分かりやすく伝えていくことも必要と思っており、
局長の考えを伺いました。

次に、市街地開発事業の進め方について質問をしました。
市街地開発事業を組合施行で行うことは、
民間活力の活用という意味でも好ましいことと考えていますが、
22年度実施した事業のうち3つが本市施行でした。
本市施行の事業は、組合施行等と異なり、
保留地や保留床の処分のリスクを本市が受けるだけでなく、
市費負担割合も増え、大きな事業リスクを負うこととなります。
そこで

(6)市街地開発事業は、本来、組合施行等で実施すべきと考えていますが、
何故、市施行で行っている地区があるのか、また、施工者を決めるにあたり、
どのような基準で判断しているのか伺いました。

過去の話ですが、市施行の事業において、
上大岡駅西口地区の再開発事業のように、
現在も市費で損失の補填をしている事業があります。
これは、バブルがはじけた時代背景があり特殊な事例ですが、
今後も保留床処分について、
事業計画時と事業完成時での経済状況等の変化で、
計画通りいかない可能性もあり、
市街地開発事業は常にリスクを伴う事業です。
そこで、

(6)将来の経済状況が不透明な中、保留床処分のリスクなど、
事業の管理をどのように工夫しているのか、伺いました。

市街地開発事業が都市づくりに果たしてきた役割は、
たいへん大きいと評価しています。
今後も厳しい財政状況の中ですが、
創意工夫や適切な事業の進捗管理を行い、
より効率的に市民の皆様の役に立つ事業を進めることが、
林市長のおっしゃっている
「着実に進めていく」
ための方向性であると思います。
市民の皆様への説明責任をしっかりと果たしながら、
共感と信頼の市政を目指していただきたいと意見を述べました。

3【コミュニティサイクル導入検討事業】

次にコミュニティサイクルについて質問しました。
コミュニティサイクルは環境負荷の小さな自転車を活用した
観光・地域活性化施策であるとともに、
現在は未だ社会実験フェーズですが、
民間主体の取組として実施している、
横浜にふさわしい夢のある事業と考えています。

本市では、10年ほど前より取り組みを重ね、
2年前に1か月間実施したコミュニティサイクル社会実験をふまえ、
今回の長期社会実験を開始することとなりました。
そこで最初に、

(1)22年度はどのような取組を行ったのか、
また、21年度に実施した社会実験の結果をどのように活かしたのか、伺いました。

(2)本格実施に向けた社会実験の中で検討していく項目は何か、伺いました。

3年間という貴重な時間を使って検討を進め、
より良い形で本格実施につなげていくように進めていただきたいことを要望しました。

しかし一方では、現在の実施状況は、市民の立場、利用者の立場で見た場合、
便性が良いとは言い難く、また、多くの制約の中で運営をしているため、
コミュニティサイクルを単独の事業として推進するには大きな壁があると感じています。
そこで、

(3)横浜の魅力つくりといった観点でコミュニティサイクルを活用していくには、
都心部のまちづくり全体の施策として検討していくべきと思い、都市整備局長に考えを伺いました。

コミュニティサイクルの本格的な実施に向けては、
サイクルポートを利便性及び視認性の高い場所にたくさん設置することや
自転車走行空間の整備といった都市整備局だけで解決できない様々な課題があると思います。
また、環境面や観光資源としての様々なプラス効果を有効活用するためには、
ハードとソフトの両面において他局の支援や連携が必要と考えています。
そこで、

(4)コミュニティサイクルは全庁的に検討していく事業であると思い、小松崎副市長の考えを伺いました。

コミュニティサイクル事業は、
「人にやさしく環境に配慮した持続可能な都市づくり」
という大きな観点で見た場合、たくさんの効果が期待でき、
横浜の魅力つくりとして大きな可能性を持っている事業だと思います。
現在の事業規模は小さいですが、とても評価できる大切な事業です。
是非、他局の協力も得て、コミュニティサイクルの本格的な実施に向けて、
全力を挙げて取り組んでいただきたいと要望しました。

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