莫大にある公共施設をどーやって保全更新するの?

財政ビジョンでは「公共施設の適正化」に取り組むこととしています。そこで先ず、

(1) 公共施設の保全更新の課題認識について、小池技監に伺いました。

《技監答弁》

公共建築物の更新需要の増大に伴い、保全更新のコストは、2065年までの長期推計で、約7兆7,000億円と見込んでいます。こうしたことから、全ての施設をこれまでどおり維持・更新することは現実的ではないと考えています。コストや施設量の増加を抑制して、保全更新の持続性を確保していくということが最大の課題と考えています。

人口減少して、今後税収も減少し、長期財政推計では収支差が拡大することが予想され、公共施設におけるサービス水準を維持することも難しい状況の中、政策38(中期計画P115)で「維持」だけではなく「向上」も目指すと示しています。そこで、

(2) 厳しい財政状況の中、公共施設におけるサービスは水準の維持が現実的で、向上を図ることは難しいと考えるのが一般的ですが、山中市長に見解を伺いました。 

《市長答弁》

デジタル技術の活用や公民連携など様々な工夫を凝らすことが必要であり、時代の要請に対応した最適なサービスを提供していくことこそが、どのような時代であっても行政に課せられた使命であると考えています。

いまいち、答弁の意味が良く分からないですね。そこで、

(3) サービス水準の向上につながる具体的事例について、小池技監に伺いました。

《技監答弁》

厳しい財政状況の中でもサービス水準の向上を図った事例がございます。

他の自治体では、例えば民間や公共の屋内プールを、学校プールとして活用することで、天候に左右されずに安定的に授業を行った例、こうしたものを公民連携により実現したものが多くみられます。また、本市においても、これまで例えば横浜文化体育館や区庁舎等の再整備について、PFIにより民間ノウハウを活用し施設・サービスの充実など、様々な工夫に取り組んできた事例がございます。

なるほど少しイメージが出来ます。では、もうひとつの疑問。中期計画の戦略に「公共建築物のリノベーションの推進」が掲げられていますが、単なる長寿命化だけなら「リフォーム」と言います。「リノベーション」と表現しているのですから「新たな価値を付加していくもの」と思いますが、そこで、

(4) リノベーションを「公共建築物の戦略的な再編整備」に位置づけたねらいについて、山中市長に伺いました。

《市長答弁》

ライフサイクルコストを抑制しながら、大規模改修あるいは用途の変更を行う、いわゆるリノベーションですが、施設の機能や性能を時代に即した在り方に更新していく視点が必要だと思います。リノベーションにより付加価値を与えるものとして、有効な手法であるという思いから、戦略的な再編整備に位置付けました。建替え以外に、リノベーションも選択肢に加えることで、厳しい財政状況の中でも、将来にわたって質の高いサービス提供に努めてまいります。

公共建築物の約4割が学校ですので、ここをリノベーションすることがポイントとなります。是非、学校の建替え方針についても、長寿命化だけではなく、付加価値を付けるといったリノベーションを効果的に取り入れて頂くことも要望します。

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