みなとみらいの結婚式場計画は何が問題なのか?

専門家や地域の皆さんは、

横浜が今まで大事にしてきたみなとみらいの景観の考え方に

16街区の計画は合わないデザイン(宮殿風)であると考えています。

しかし、それが一番の問題ではありません。

私が問題だと思っているのは、

その皆さんの思いと事業者の思いが寄り合えないまま事業が進もうとしていること。

更には、地域と事業者が寄り合える横浜市のルールになっていないことです。

では、しっかりと話し合えばいいじゃないの?と思うハズ!

それをしてきたのが都市美対策審議会(都市美審)なんです。

この地区は、横浜市が定める「横浜市魅力ある都市景観の創造に関する条例」に基づく

「都市景観協議地区」になっています。

ですから事前に「景観法による届出」や「条例による協議申請」が必要なんです。

協議してから建築するルールになっているのです。

その協議を行うのが市長の諮問機関である都市美審なのです。

しかし今回は、この仕組みには大きな課題を残しました。

都市美審の意見は聞いても聞かなくてもいいという

事業者のモラルに委ねたルールになっているのです。

そして今回は、都市美審の委員全員が反対といった状況の中、

事業者は、協議打ち切りをしたのです。

もちろん事業者は、部分的には都市美審の意見を聞いて修正をしました。

当初、予定していた協議期間を延長して話し合いをしたことも事実です。

でも、論点はそこでは無いのです。

審議会での委員の意見にもありますが

「微調整をすれば認められるということではなく、

基本的なデザインの考え方に見直しが必要」

という言葉が全てを表しています。

基本的なことが理解し合えていないまま

事業が進んでしまうことに

社会的な影響が大きいと危惧しています。

今の仕組みでは何ともならないのです。

この件は、行政を批判するものではありません。

今のルールの中、担当局は役割の中で

最大限の努力をしてくださいました。

後は、市民の皆さんが声を上げるしかない状況となっています。

私は、決して事業を中止しろとは言っていません。

民間企業で働いていた時は、事業性を検討する業務を担当していました。

デザインと事業性は相反する部分もあります。

だからこそ、寄り合うことが必要なのです。

都市美審の委員の皆さんも地域の皆さんも

私と思いは同じだと思います。

行政が権限や強制力を持ち過ぎることも問題だと思っています。

本来は、互いにモラルを持って

それぞれの立場を尊重しつつ寄り合うべきなのです。

企業もこれからの時代は、社会や地域と共存していかなければならないのです。

皆さんはどうお考えですか?

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