視察報告「水都大阪」

皆さん「水都大阪」ってご存知ですか?

水都大阪推進委員会ホームページはこちら

横浜に住んでいると、あまり聞いたことのない言葉かもしれません。

大阪では水辺を活用して街づくりをしており、

これを総称して「水都大阪」というのですが、

最近では、水辺のある地方都市で

「水都~」という言い方が流行っているようです。

その最先端を行く「水都」発祥の地が大阪なんです。

何がすごいって、通常ではなかなか許可がおりないことを

大阪では色々と実施しているんです。

誤解を生じるといけないので説明を付け加えますが、

違法なことをしたり、規則や条例で定めを守らないということではないんです。

あくまでも合法の範囲なのです。

しかし普通は残念なことに合法なことであっても、

前例が無いことや、新たな取り組みに対して

実施することはたいへん難しいのです。

【画像は水都大阪HPより】

例えば「巨大こけし」を設置しようとすると、

高速道路を走行するドライバーがこけしに気を取られて

事故を起こしたら、誰が責任を取るんだ!

ということで警察から却下されてしまうんです。

【画像は水都大阪HPより】

水辺の上にデッキをつくり飲食をしようとすると、

酔っぱらった人がゴミを川に投げたら環境汚染になる。

と行政は出来ない理由を考えるのです。

日本の制度では、許可を出した責任者や企画した申請者が

罰せられる仕組みになっているのです。

だから、実施していることは凄いことなんです。

きっと、誰かが腹をくくってやっているハズです。

もちろん、水辺の利活用により魅力ある大阪をつくるんだ

といった市長や知事の方針の影響も大きいと思いますが、

それだけでは縦割り行政を動かす程の力にはなりません。

行政の職員や地域住民の想いが全て一致して

実現できることなのです。

大阪では、平成13年に「都市再生プロジェクト」を立ち上げ、

内閣官房都市再生本部において「水都大阪の再生」を決定しました。

その後、ハード面では都市整備を行い、

ソフト面では、イベントやまちづくり活動との連携を図って参りました。

その結果、公民協働で2009年に「水都大阪」を実施することが出来ました。

もちろん大阪においても初めから今の規模で実施していた訳ではありません。

小さなことから試験的に始めて、

場合によっては民間が予算持ち出しで取り組み、

ひとつひとつトライ&エラーを繰り返しながら

官民の信頼関係を構築し、

この規模で実施するまでに育てていったのです。

横浜の場合、水辺を考えた時、

最初の思いつくのは港だと思います。

大阪での取り組みは港ではなく、主に河川。

何故、河川なのか?

それには立地だけではなく、

その他にも理由もあると感じました。

河川の管理者と港の管理者は違うのです。

港は港湾が管理しているのです。

港湾で街づくりを考えたり

先進的な取り組みをしたりすることは、

本来の港湾の主目的とは違ってしまうのです。

だから、壁が厚く難しいのです。

先日の港湾局の決算審査で私は、

港湾局は時代の変化に柔軟に対応する必要があると意見を述べました。

そういう意味で考えると、

横浜の港は引き続き、街づくりといった観点で魅力づくりを考えるとして、

河川を利用した魅力づくりの方が先進的な取り組みをしやすいのでは?

といった観点で調査を進めています。

私の地元には鶴見川があります。地域の方からも

「もっと鶴見川の魅力を引き出すことは出来ないか?」

といったご意見を頂きます。

河川敷をサイクリングロードにしたり、

市民の憩いの場にしたりと

まだまだ工夫の余地はあるだろうと。

鶴見川は一級河川です。

所管は、国土交通省。

一部、河川管理を横浜市が所管しています。

鶴見区では、昔は河川がよく氾濫し、

周辺地域が水浸しになったと聞いています。

河川管理の第一目的は、安全と安心です。

現在は、鶴見川の護岸も整備され、

河川が氾濫することも無くなりました。

地域住民にとって、安全と安心は第一優先です。

しかし、これからの時代は、横浜を誇りに思える、

そんな魅力ある街づくりを進めて

次の世代に引き継いでいかなければならないと

私は考えています。

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