ONOMICHI U2は、海沿いにある県が所有する倉庫をリノベーションしサイクリストのための様々なサービスを提供するといったコンセプトの複合施設です。
倉庫の中で小さな街をイメージして主に宿泊施設や飲食、物販を行なっています。
自転車でここまで来た場合は、自分の自転車をホテルの部屋の中まで持っていくことが出来ます。
ONOMICHI U2で自転車の受取、発送も可能なので、ここまでは輪行なしで電車で来るといったことも可能です。
また倉庫の中にはジャイアントストアもあり、
自転車のレンタルも行なっていますので、手ぶらで来て、ここからしまなみ海道を渡ることも出来ます。
今治にあるジャイアントストアと提携しているため、
ここで借りたレンタサイクルはしまなみ海道を渡った後に乗り捨てすることも可能です。
この施設を運営しているのはディスカバーリンクせとうちという民間会社。
県がずっと活用されていなかった倉庫を提案型公募したのをきっかけに現在の施設となりました。
県と事業者との初期投資の費用分担は、ハードに関しては、主インフラ整備と耐震補強は県が行い、それ以外は事業者が負担するといった区分となっています。
そして倉庫の使用料を事業者が県に支払うといった契約となっています。
ちなみにこの倉庫は2000m2あって使用料は70万円/月とのこと。
この施設はスケルトンからつくりあげており、内装グレードが高いので、
工事費だけでも相当掛かっているはずです。
事業として見ると、利回りは悪いように見えます。
それでも何故、ディスカバーリンクせとうちはこの事業を行なったのか?
それは、尾道のまち全体の魅力を観光に繋げて雇用を創出し持続可能なまちづくりをしていきたい。
そのためには、自らリスクを負って取り組んでいかなければ街は良くならないと覚悟を決めたからだそうです。
そういう理念のもと、ディスカバリーリンクせとうちは、
まち全体の在り方を考え、魅力あるまち並みを未来へと繋いでいくため、様々な取り組みを行なっています。
そのひとつが、歴史ある建物を再生活用するプロジェクトとして「せとうち湊の宿」です。
これは、空家となった歴史ある建物をリノベーションして民泊として活用するものです。
その他にも「ONOMICHI SHARE」というシェアオフィスを運営しています。
これも尾道水道に面した一等地にある港湾施設が書庫として使用されていたため、
尾道市が実施した公募型プロポーザルにて採用された活用方法です。
横浜においても港湾の役割が時代とともに衰退していく中、
横浜の港の魅力を観光資源として活用するといった取り組みが必要です。
通常の場合、岸壁は港湾用地のため様々な規制があり、モノを置くことすら出来ない状況です。
ONOMICHI U2でも倉庫外の活用については厳しい規制がありましたが、
現在は、県の理解もあり、岸壁をオープンデッキとして活用できるようになりました。