創造都市施策が途絶えてしまったらダメ!

令和5年度から「文化観光局」は「にぎわいスポーツ文化局」へと局名を変え、イベントやって、賑わいをつくり、経済波及効果を高めて、わかりやすい数値を上げていくことになっています。

もちろんそういった取り組みも重要ですが、それだけでは薄っぺらい街になってしまいます。市民の暮らし自体を充実させるためには、今まで取り組んできた文化芸術創造都市・横浜としての施策がより重要となります。そこで、

(1)新しい局で目指す創造都市施策の方向性について、文化観光局長に聞いてみました。

《局長答弁》これまで推進してきた創造都市施策の特徴をしっかりと生かしながら、新たな局の目標である賑わいづくりと地域に根差した文化芸術活動の振興に資する取組を推進したいと考えております。創造界隈拠点を中心とした創造性を活かしたまちづくりや、都心臨海部の回遊性を向上させる取組を進め、市民に身近な文化施設等との連携を一層深めてこれまでのノウハウを活用しながら、文化芸術による地域コミュニティの活性化にも取り組んでいきます。〔R5年度予算審査より〕

来年度は、第8回横浜トリエンナーレや創造的イルミネーション「ヨルノヨ」をはじめ文化芸術に関する大規模イベントがあります。前回、山中市長に「文化芸術による賑わいの方向性」を確認したとこり、市長は「魅力的な観光資源を点と点ではなく、線や面にしていく」とうすっぺらい答弁をしていました。文化芸術をイベントや観光資源としてしか認識しておらず、私は文化芸術を短期的な視点でしか評価できなくなってしまうことを危惧しています。

そうではなく、大事なのは文化芸術活動を行う人が定着していること、文化芸術がまちに溶け込んでいることです。中長期的な視点で、人を育てることが必要なのです。前回も申し上げましたが、文化芸術と子供たちをつなげ心豊かに育てるのも人、文化芸術を街の賑わいにつなげるのもイベントではなくそこで活動している人なのです。これまで本市の文化芸術創造都市施策は、そうしたことを重視して取り組んできました。そこで、

(2)「まちの魅力をさらに高めるため、創造的な人材の育成が重要」と考え、文化観光局長の見解を聞いてみました。

《局長答弁》これまでも創造界隈拠点やアーツコミッション事業等の創造都市施策により、人材の集積や育成に積極的に取り組んできました。その結果、例えば映画「ドライブ・マイ・カー」で米国アカデミー賞を受賞した濱口竜介監督を始め、横浜での活動を契機にステップアップし、国内外で活躍する様々な人材が輩出されています。これからも創造的な人材を大切に育て、活躍の場を作っていくことで、文化芸術を街中に根付かせ、市民のみなさまが身近に触れられる機会をつくり、横浜の魅力向上につなげていきたいと考えています。〔R5年度予算審査より〕

文化芸術とスポーツが賑わいづくりの単なるツールとして利用されてしまうと、人材育成やまちづくりへの貢献といった、これまで全国に先駆けて取り組んできた本市の創造都市施策の良さが、失われてしまうことを懸念しています。そこで、

(3)「新しい局においては、スポーツの分野においても創造都市施策を生かしていくべき」と考え、文化観光局長の見解を聞いてみました。

《局長答弁》創造都市施策は、ソフト・ハードの施策を融合させ、文化芸術の創造力と都市空間、多彩な人材などを組み合わせながら魅力ある横浜のまちづくりに取り組んできました。例えば創造界隈拠点の一つである旧関東財務局を活用したTHE BAYSでは、スポーツ×クリエイティブをテーマに活動を進めております。新局ではスポーツと文化を一元的に推進するなかで、それぞれの培ってきたノウハウを共有しながら、一層、施策の推進に努めてまいります。〔R5年度予算審査より〕

公益的な本市の役割を鑑みると、イベントの実施だけではなく、横浜で文化芸術活動する人・スポーツする人を戦略的に育成することが重要です。それが結果として、横浜市のブランディングにもなり、シビックプライドを育むことにも繋がります。ぜひこの事を意識して施策に取り組んでいっていただきたいと思います。

来年度から文化観光局は、にぎわいといった観点から、まちづくりの役割を担うことになり、集客・消費で経済活性化の役割も担うことになります。

今までも、そうした役割を担っていたのですが、他局の事業調整役といった中途半端な立ち位置だったため、思うように施策を進めることが出来ませんでした。そこで、

(4)「新しい局は、市内経済活性化に向けて、まちづくりや賑わい創出の推進役となるべき」と考え、副市長に見解を聞きました。

《副市長答弁》おっしゃるとおりと認識しております。そのために新局をつくりました。都心臨海部には、いわずもがなですが港はもとより歴史的建造物や、観光・エンタメ施設、プロスポーツチームなど、様々な魅力的な資源が集積しています。新局では、まちづくりを推進する都市整備局とともに、これら魅力的な資源を活かして、民間事業者の皆様と連携しながら、戦略的な宿泊・回遊促進策、にぎわいづくりに取り組んでいきたいと考えております。新局での新しい部署と都市整備局の新しい部署とが連携して、ハード・ソフトで手を組んで街の活性化に取り組んでいこうと考えております。〔R5年度予算審査より〕

本市が担う、公益的役割とは何なのか?こうしたことを常に意識しながら組織改革を進めて、施策の推進をして頂くことに期待しています。

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