横浜トリエンナーレはもっと広域で!

現在、世界では「ベネチア・ビエンナーレ」のように国際的に大きな影響力がある現代アートの国際展が複数開催されています。

 横浜トリエンナーレは、身内の評価は微妙ですが、2014年に「世界のTOP20」に選ばれるなど、国際的にはとても高い評価を受けています。来年度はアフターコロナで経済活動復活の機運が高まっているタイミングでの開催となります。そこで、

(1)まちの賑わいづくりに向けた取組を、文化プログラム推進部長に聞いてみました。

《部長答弁》横浜美術館をキーステーションに、都心臨海部の歴史的建造物などを活用して、まちなかの会場を複数設置し、市民や来街者の皆様が横浜の街を楽しみながら、気軽にアートに触れられる機会を創ってまいります。さらに、例えば同時期に開催されるガーデンネックレスや、象の鼻テラスなどの創造界隈拠点、近隣の商業施設と連携して、回遊性を高め、まちの賑わいづくりを目指してまいります。〔R5年度予算審査より〕

昨年開催されたイスタンブールやリヨンのビエンナーレでは、街の至る所にアート作品が展示され、観光客を呼び込むだけではなく、地域住民にも街を巡ってもらうなど、ローカルな生活を豊かにすることにフォーカスするのが世界的なトレンドなのです。

横浜トリエンナーレは、都心臨海部での展示が中心となっているのですが、アートに関心の高い人や観光客だけではなく、地元の人々もより楽しめるよう全市域で盛り上げていく必要があると思います。そこで、

(2)都心臨海部以外でも、もっと積極的に取り組んでいくべきと考え、文化観光局長に聞いてみました。

《局長答弁》横浜トリエンナーレの開催に合わせて、区役所やアートNPO、商店街などの皆様にアートプログラムの実施を積極的に働きかけて、地域の文化芸術活動を一緒に盛り上げていきたいと考えています。また、アーティストによる学校での特別授業や地域でのワークショップなど、多くの市民の皆様がアートに触れる機会の充実を図り、トリエンナーレを身近に感じていただけるようにしっかり取り組んでまいります。〔R5年度予算審査より〕

鶴見の鶴見小野周辺では、商店街や町会の方々がアートプロジェクトをやっていて、アーティストと地域住民との作品づくりや交流を通して、まちの賑わいづくりに取り組んでいます。また、定期的に勉強会やワークショップを開いていて、アートなんてさっぱり分からないといったおっさん達と対話しながら一緒に経験を重ねていくことで、街の人の意識が変わり、街のすがたが変わりつつあります。このような取り組みは、地域活性化などの社会的効果も期待されるところです。

鶴見小野では、酒屋のおじさんがアートギャラリーをつくっちゃったので、是非、そうしたところでも作品の展示をして頂きたいし、アーティストが郊外でレジデンスして、市民が日常的にアートを感じるようになるなど、地域に根差す国際展とすることは可能だと思っています。こういう話をすると、滞在する場所がないとか、環境が整わないとか理由を並べてきますが、水道局が隠し持っていいて、現在使われていない職員住宅など、いくらでも知恵は出せるので、是非、前向きに取り組んで頂くことに期待しています。そこで、

(3)横浜トリエンナーレを開催する意義について、副市長に聞いてみました。

《副市長答弁》横浜トリエンナーレは、2001年の第1回の開催から20年に渡り継続して開催してまいりました。日本を代表する現代アートの国際展として、国際的にも評価していただいており、横浜という都市のプレゼンス向上に寄与してきているものと考えています。第8回展では、世界から認められる質の高い国際展をまちなかでも展開していくことにより、文化芸術活動に関心を持っている方はもとより、一般の方々にも楽しんでいただける、現代アートに触れる機会を創っていきたいと考えています。そして、そのことにより横浜というまちを知っていただく、あるいは横浜というまちに愛着を深めていただく、そうした取組にしていきたいと考えており、回遊性の向上、それが結果的に賑わいの創出にもつながるものと考えています。〔R5年度予算審査より〕

高い評価を受けている国際性や先進的な取り組みを維持することはもちろん重要ですが、少なくとも市長が言われている面の広がりをインナーハーバーで見た時に横浜らしさといった観点では、旧第一銀行横浜支店もありますし、防火帯建築も残ってますし、みなとみらい線の駅アート「クリエイティブレイルウェイ」も出来るし、スカイウォークも活用できますし、鶴見小野もぎりぎりエリアに入っています。

インナーハーバーからはちょっとはみ出してますけど、海釣り公園やシンボルタワーも活用できるのでは?あと、去年、資源循環局に公衆トイレを使ったアート「トイレンナーレ」も提言しているのですが、こうした発想を広げて、街の賑わいに繋げていくことに期待しています。

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