横浜に合った中学校給食を推進するために、
みんなの党会派では、横山議員を中心に様々な方式を視察検討しておりますが、
その一環として、今回は政令都市でセンター方式を採用している名古屋を視察して参りました。
名古屋では、中学校給食を21世紀を展望した豊かな給食をイメージして
「中学校スクールランチ」と呼んでいます。
導入の経緯は平成元年の中学校給食検討委員会の設置から始まりました。
平成2年には中学校給食に関する1万人アンケートを実施し、その結果から
① 複数メニューからの選択
② 食事にふさわしい場での喫食
③ 家庭からの弁当持参も可能
といった3つの条件を満たす方向で検討が進められました。
その後、平成5年に施行実施し、
平成10年に全中学校でスクールランチが実施されました。
〔ランチボックス受け渡し場〕
名古屋のスクールランチの一番の特色は、
ランチルームがあることです。
全校生徒を一度に集める程のスペースは不可能なので、
150人収容(教室4つ分)のランチルームを設置しています。
〔ランチルームでの喫食①〕
私たちが今回視察した名古屋市立沢上中学校では1学年が100人程度なので、
学年毎にランチルームを1週間交代で利用しているそうです。
〔ランチルームでの喫食②〕
ようするに3週間に1週ランチルームで昼食を食べることができます。
ランチルームは学校毎に工夫されておりログハウス風なつくりだったりと、
楽しく食事ができる雰囲気になっています。
〔ランチルーム調理場〕
メニューはランチルームで食べる配膳型のランチルームメニューがAB2種類。
〔ランチルームメニューA〕
〔ランチルームメニューB〕
教室用としてお弁当型のボックスメニューがCD2種類提供されます。
もちろん、自宅から持参するお弁当を選択することもできます。
ランチルームメニューはランチルームでしか食べられませんが、
ボックスメニューはランチルームでも教室でも食べられます。
〔ランチルームでの給食片付け状況〕
メニューの内容は、栄養士である名古屋教育委員会学校保健課の職員さんが作成し、
「中学校スクールランチ調理業務指示書」を民間業者に渡し、
民間業者は指示書に基づき調理して各中学校に届けています。
調理する民間業者は、指名入札にて選定しているそうですが、
スクールランチの調理時間帯は
他の調理をしてはいけない等の多くの制約があるため、
なたなか対応できる民間業者がいないのが課題のようです。
子供たちに食の安全を考えると
安易に規制を緩和できるものではなく難しい問題です。
〔スクールランチ食券予約機〕
スクールランチの予約は完全システム化されており、
プリベードカードを使用し、
食費の徴収から予約、食数の把握、関係帳票の作成まで
一括して処理するシステムを導入しています。
予約機を学校の廊下に設置して生徒が直接予約できるようになっています。
予約は食べる日の3日前が締切です。
喫食率は平成22年度で
ランチルームメニューが72.1%
ボックスメニューが50.9%
となっています。
スクールランチを利用するのに
1食あたり保護者負担が280円
公費負担が375円となっています。
これを単純に横浜に当てはめた場合、
横浜の中学生は7万9千人くらいなので50%の喫食率として
全中学校で実施した場合の公費負担は年間25億円くらいとなります。
もちろんスクールランチを実施するのに
施設整備が必要なのでランニングコストだけで図れませんが、
名古屋の場合を例に施設整備費を見ると、
平成4年から平成10年にかけて108校の施設整備を行っており、
約139億円掛かっているので、
1校あたりの施設整備費は約1.3億円となります。
以前、名古屋ではスクールランチを利用している人と利用していない人で
公費負担の差が出るので不公平ではないかといった外部からの指摘があったそうです。
しかしそのようなことも含めて保護者が自ら選択できるシステムになっており、
保護者も十分に理解しているので今の運営方法で良いということになったそうです。
横浜市においても中学校給食に関して保護者の選択肢を増やすことは
平等公平といった観点からも必要なことであると私は考えています。
視察日:2012/05/08