シンガポール視察報告【クルーズ客船】

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シンガポール最大のクルーズ港であるシンガポール港は、従来からあるシンガポール・クルーズセンターと52mの大型客船の受け入れを可能にするため新たに建設されたマリーナベイクルーズセンター・シンガポールの2つの客船ターミナルがあります。

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シンガポール・クルーズセンターは約20年前に建設され、最大270mの2つのバースがあります。クルーズ船の利用は、飛行機で空港から来る乗船客が多いので、バス、地下鉄、車それぞれの交通手段を選べるように移動手段も充実しています。

チェックインカウンターは横浜の大さん橋客船ターミナルが15あるのに対し、35のカウンターを設置しています。それでも1回の入港で約3千人の乗船客が来るので捌ききれなくなるので、チェックインカウンターは荷物を受け取る場所とチェックイン手続きをする場所を分けるなどの工夫を行なっています。

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待合室には400席ほどの椅子しかありません。これは待合で待たせるのではなく、隣接したショッピングセンターで回遊させるように考えているからです。要するに、クルーズセンター単体の施設で考えるのではなく、エリアとして考えているのです。

今後、横浜においても乗船客の回遊といった考え方は重要です。現在の大さん橋、今後計画を進めていくいくつかの客船ターミナルは、周辺の計画も含めて考えていく必要があります。

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シンガポール政府は、寄港した乗船客に対しても、エンターテイメントハブとして楽しめるメニューを戦略的に計画しています。ユニバーサルスタジオの誘致もそのひとつです。

横浜においても、寄港した乗船客がツアーで秋葉原に買い物にいくのではなく、横浜で楽しんでもらえるようなメニューをしっかりと考えていく必要があります。それは、遊園地やカジノといった個々のツールではなく、横浜のまち自体がエンターテイメントとなるようなまちづくりをしていかなければなりません。それが世界に通用する横浜の港の姿ではないでしょうか?

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余談ですが、シンガポール・クルーズセンターには、VIPルームがありました。こういった多様化するニーズに応えていくことも客船ターミナルには必要なのかも知れませんね。

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