大事な防災のことを何で市長は答えてくれないの?

林市長は昨年の選挙公約で「安全・防災・減災」をお約束の一つとし「誰もが安全で安心して生活できる横浜をめざし、災害に強いまち・ひと・地域づくりに取り組む」と記していました。

私は、このことはとても重要なことだと考えていますので、議会の一般質問で掘り下げて聞いてみました。特に発災時における地域防災の要となる地域防災拠点は重要な役割を担っており、私は以前より議会にて提言して参りました。

横浜市内459か所の拠点には、いざという時に備えて、拠点ごとに備蓄がされています。しかし、公助として用意されている備蓄品目、数量が459か所の全ての拠点で1000人分と同一なのです。

横浜市防災計画では、想定避難者数は1拠点あたり青葉区が218人なのに対して、中区は約4000人、私の地元鶴見は1880人と想定していて、計画段階でも備蓄が不足している区がある状況なのです。

横浜市防災計画では、備蓄の不足分は方面別備蓄庫から補充することになっていますが、鶴見の2つの方面別備蓄庫のうち、入船公園は周囲が津波浸水域にあり、そもそも道路インフラ等が機能しない中、どのように運搬するのか疑問を感じます。そこで、

 

(1)地域防災拠点の備蓄品については、459か所で同一とするのではなく、地域事情に合わせて備蓄内容・数量を見直すべきと考えますが、市長の見解を伺いました。

 

【市長答弁】
拠点では、どのような方が避難して来られても対応できる、汎用性の高い備蓄品を配備しています。また、数量につきましては、被害想定を踏まえた数量を、拠点と方面別備蓄庫に備蓄しております。なお、支援物資や流通物資等の活用が可能となった段階で、速やかに、実際に避難された方々の状況に対応した供給を開始します。

 

結局は、私の問題意識に対する答弁はありませんでした。市長答弁の内容を前提として、課題認識を聞いているのに残念です。

次に洪水についても市長に聞いてみました。近年、全国各地で大雨による甚大な被害が発生していて、地震だけではなく洪水に関する対策も重要です。

一昨年の8月に、国及び県により鶴見川水系と多摩川水系の洪水浸水想定区域が見直されましたが、改めて確認すると、鶴見川の氾濫で浸水する地域防災拠点は市内で、都筑区1カ所、青葉区1カ所、港北区14カ所、鶴見区17カ所の計33カ所あり、地元鶴見の下末吉小では、防災備蓄庫が最大3m浸水すると想定しています。

そのような状況も踏まえ、私は、地域防災拠点が洪水時の浸水域に入っている地域では、ハザードマップなどで情報を共有する以外に、日頃から、いざ浸水した時には公助として何をしなければならないのかを考え、また、地域としては何をすべきなのかをお互いに連携して、対策を講じておくことが重要です。そこで、

(2)地域防災拠点の浸水が想定される地域では、河川氾濫時に備え、どのような対策をしていくのか市長に伺いました。

【市長答弁】
浸水により拠点が使えない場合には、代替となる避難所を開設し、地域の皆様に速やかに避難を促すとともに、方面別備蓄庫等から物資の供給を行うなど、適切に支援を行ってまいります。また、地域の皆様には、日頃から浸水時の避難経路を確認していただき、発災時には、お互いに助け合いながら避難行動を取っていただきたいと考えています。

これもまた具体的な答弁を頂けませんでした。市長は、公約の中で「安全・防災・減災」に関し「あらゆる災害対策について、一歩踏み込んだ検討や実効性のある対策を推進する」とされています。その割には、あまりにも期待外れの答弁です。

林市長が防災計画をもとに推し進めてきた施策は私も評価をしていますが、これで終わりではなく、自助・共助・公助を一層強化すべく、一歩踏み込んだ施策の推進をするよう今後も提言して参ります。

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